明治製菓は８月26日、世界初の経口カルバペネム系抗菌薬オラペネム小児用細粒10％」（一般名：テビペネム　ピボキシル）を同日から発売したと発表した。ペニシリン耐性肺炎球菌（PRSP）などの薬剤耐性菌によって治療に難渋している小児の中耳炎・副鼻腔炎・肺炎の３疾患が適応症。これまで、これら疾患に対する最終的な治療薬として同系統の薬剤が使用されてきたが、注射薬しかなかった。オラペネムは入院や通院が不要のため、患者満足度の向上にもつながりそうだ。なお、同剤の発売も世界で初めてとなる。

オラペネムは６月19日に薬価収載されていたが、即販売せず、適正使用の周知を図っていた。同系統の薬剤が小児の難治性中耳炎などの最終的な治療の選択肢のため、新たな耐性菌が出ないようにするためだ。明治製菓は、難治例に対する推奨薬となっている同社のセフェム系抗菌薬メイアクト高用量の情報提供活動と併せて、オラペネムの臨床的位置付けを含めた情報を提供しているようだ。

オラペネムはワイスが創製し、明治製菓が日本を含むアジア15か国の独占開発・販売権を持つ。同剤は幅広い抗菌スペクトラムを有し、特にPRSP、マクロライド耐性肺炎球菌、β－ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌（BLNAR）といった薬剤耐性菌に強い抗菌力を示す。これら耐性菌によって近年、小児の中耳炎・副鼻腔炎・肺炎の重症化・難治化が問題になっている。