中医協 ファイザーのカデュエットなど7成分の薬価収載を了承
公開日時 2009/08/27 04:02
中医協総会は8月26日、ファイザーの配合剤「カデュエット配合錠」(一般名:アムロジピンベシル酸塩・アトルバスタチンカルシウム水和物)やシェリング・プラウ/明治製菓の抗うつ剤「レメロン錠/リフレックス錠」(ミルタザピン)など7成分11品目の薬価収載(9月4日予定)を了承した。
カデュエットは、高血圧症または狭心症と高コレステロール血症または家族性高コレステロール血症を併発している患者が適応となる。降圧剤のノルバスクとスタチンのリピトールを配合した初の異種効能配合剤。発売後はアステラス製薬とコ・プロモーションを展開する。同剤の1日薬価は183.20円。メーカーによる市場規模予測は、初年度が4.4億円(予測投与患者数:2.9万人)、ピーク時の6年後には201.5億円(43.7万人)とした。
配合剤は、これまでARBと利尿剤のケースがあったが、これらの薬価収載のたびに委員からは疑問の声が上がっていた。また、薬価算定組織から配合剤の算定ルールの見直しが提案されていることから、これまでのように2剤の薬価を足し合わせる方法ではなく、リピトールと最類似薬とし、アムロジピンの「上乗せ効果」を補正加算(有用性加算2=30%)として評価。2剤合算の薬価(214.00円)と比べ結果的に15%減額した形となった。「企業側も中医協の議論などから納得された」(磯部総一郎薬剤管理官)。アムロジピンの後発品を使った場合でも191.30円であることから、薬剤費的にも問題はないとした。
レメロン/リフレックスはSSRIやSNRIと異なるノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤。1日薬価は338.60円。初年度に32.9億円(16.2万人)、5年後のピーク時は258.8億円(55.3万人)と予測した。
同剤の薬価算定はSSRIパロキセチン(GSKのパキシル)とSNRIミルナシプラン(旭化成ファーマのトレドミン)の2剤を最類似薬として算定。両剤ともに異なる作用機序であるものの「類似薬はないとはいえない」(磯部薬剤管理官)ため。また1日薬価を比べるとパキシル(493.60円)とトレドミン(183.60円)で大きく異なることから、2剤の薬価の相加平均で算定した。
そのほか、ノバルティスファーマの降圧剤「ラジレス錠」(アリスキレンフマル酸塩)の1日薬価は168.00円。初年度に3.7億円(7300人)、10年後のピーク時に289.1億円(57万3600人)を見通す。グラクソ・スミスクラインの前立腺肥大症治療薬「アボルブカプセル」(デュタステリド)の薬価は0.5mg1カプセル206.50円。原価計算方式で算定し、新規作用機序であるなどから営業利益率で加算(23%)がついた。初年度は5.6億円(3.2万人)、10年後のピーク時に181.3億円(34.4万人)を見通した。