GSK 前立腺肥大症の新規治療薬アボルブ発売 単剤・併用で効果発揮
公開日時 2009/09/07 04:01
グラクソ・スミスクラインは9月4日、新規作用機序をもつ前立腺肥大症治療薬アボルブ カプセル0.5mg(一般名:デュタステリド)の販売を同日から開始したと発表した。同社のMR1800人のほとんどが情報提供活動するほか、泌尿器領域を得意とする大鵬薬品とコ・プロモーションする。同剤は単剤でも効果を発揮するが、タムスロシンなどのα1受容体遮断薬との併用療法でより優れた効果を発揮するとの海外データがある。
同剤は国内初の5α還元酵素阻害作用を持つ前立腺肥大症治療薬。同酵素を阻害することで、前立腺肥大に関わるホルモン、ジヒドロテストステロン(DHT)の産生を抑制する。DHTを少なくすることで肥大した前立腺を縮小させ、下部尿路症状の軽減や尿流の改善を図る。薬価は206.50円、10年後のピーク時に181億円の売り上げを見込む。
なお、今年4月の米国泌尿器科学会では、同剤が前立腺がんの発症リスクを23%減少(p<0.0001)させるとのデータが明らかになった。このデータは日本人を含む国際共同フェーズ3(解析対象者数8121人)によるもの。前立腺がんの発症抑制の適応追加に向けて米国では現在、申請準備の段階にある。日本での対応に関して同社は、本誌取材に、「検討中」とコメントした。