J&J 特発性正常水頭症、国内の患者数は約31万人と推定
公開日時 2009/09/16 04:00
ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカルカンパニーは9月14日、特発性正常圧水頭症(iNPH)の患者数について、これまで推定されていた患者数よりもはるかに多い約31万人の可能性があると発表した。
今回の解析結果は東北大学大学院高次機能障害学の森悦郎教授が08~09年に発表されたiNPHの有病率に関する3編の論文についてメタ解析を行ったもの。認知症患者は一般的に220万人いるとされており、そのうちiNPHは5%(約11万人)とされてきた。今回の分析調査では65歳以上の高齢者の1.1%がiNPHで、日本の高齢化率で換算すると約31万人に上るという。
iNPHは脳内において髄液の循環や吸収に障害が起こり、脳室に過剰な髄液がたまることで脳組織を圧迫、歩行障害や認知症、尿失禁などの症状をきたす疾患。治療法としては髄液の流れを良くする「髄液シャント術」があり、歩行障害の9割、認知症・尿失禁の8割が改善するとされているが、なかなか認知が進んでいない。国内のiNPHの年間手術症例数は約1200件とされている。