米国における全薬剤費に占める抗がん剤の割合が、今年の上半期実績で初めて5%を超えたことが分かった。抗がん剤市場は、09年から11年にかけて9%の伸びをみせると予想されており、将来的な薬剤費の増大に影響するとの観測が流れている。これは薬剤給付管理会社のMedco Health Solutionsが8日まとめたもの。
10年前に単剤で1億ドル売り上げる抗がん剤は、たった1剤すぎなかったが、現在は約20剤におよぶ。12年の売上見通しも800億ドルに達するとみられる。
この背景にあるのが、新たな分子標的薬の登場だ。薬価が高いことに加え、治療効果が高く、がん患者の生存期間を延長させることが、薬剤費の増大につながるとみられている。
同社は、「FDAが最近4年間で承認した薬剤のほぼすべてが、12週間の1コースの治療を行うと、2万ドルかかる」と指摘している。