米FDA(食品医薬品局)は、重篤な患者に新薬の治験薬を提供する新ルールを広くPRしているが、治験薬使用推進にはまだ解決すべき課題が残されているようだ。
新ルールでは特に、患者が実施中の臨床試験への登録資格がない場合や他の治療法がない場合に治験薬にアクセスする方法を提供。具体的には、インターネットの活用を推奨している。
同ルールの策定で、治験薬のニーズが高まることが見込まれるが、FDAでは、そうなるか断言するには時期尚早としている。これは、製薬企業に治験薬の提供を義務付けていないので、▽治験審査委員会(IRB)▽治療薬の経費負担――の2点の課題があるため。治験依頼者(製薬企業)は、IRBを探した上で、審査経費、治験薬の経費を負担しなければならない。
IRBでの治験審査を無償で実施する施設もあるが、その施設で治験を実施している時のみ審査が無償であるのが実状だ。FDAでは、IRBに関する規制の改定を考慮すると同時に、医療専門職団体や患者団体と、同ルールの運用状況を調査、結果をフィードバックし、改善につなげる考えだ。
(The Pink Sheet 3月29日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから