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製薬協 不祥事の田辺三菱を処分 副会長など役職解任

公開日時 2010/04/22 04:02

日本製薬工業協会は4月21日、理事会で、不祥事で行政処分を受けた田辺三菱製薬に対し、同社社長が務める副会長、常任理事、理事の役職を解任する処分を決定した。同社社員が務める薬事委員会など常設委員会の委員長・副委員長職からも外すが、同社の会員資格は認める。製品の承認申請データの改ざんがあり、それを見逃し、そのまま申請したことに対し、会の目的に反する行為として会則に基づき決定した処分だが、会則に示される「会員資格の停止または除名」ではない処分が下された形となった。

製薬協は、処分期間は明示していないが、5月に予定される役員改選でも役職に就けないとしており、役員の任期である最低2年間は一般会員として活動することになる。理事会終了後に処分内容を説明した川邊新専務理事(写真左)は、役職から外れ会の意思決定に参加できなくなることから「相当重い処分だと思っている」との認識を示した。

役職解任の必要性については、「行政処分を受けた以上、指導的な役割にとどまるのは問題があろう」と説明。会員活動を認めた点では「再発防止が団体の役割であり、そこに力を尽くすべき」と述べ、会員にとどまり会員と共に法令順守に取り組むことが団体の活動目的に合致するとの考えを示した。

処分は、庄田隆会長の諮問を受けた企業倫理委員会が同日に役職の解任を答申、理事会では「異論なく」決定したというが、会員資格停止とせず役職解任にととどめた根拠については「こういう問題なら、これくらいの処分というのは決められていない」と述べた。

行政処分で田辺三菱は、製造販売業者として子会社に対する管理監督責任が厳しく問われた。その製造販売承認制度は業界側が導入を求めたものであり、その制度の中で起きた不祥事であることや、一部のデータ不正が行われた時期が薬害肝炎訴訟の和解過程の時期と重なっているといった企業倫理的な側面は、製薬協の処分の検討には影響しなかった模様だ。

この日、製薬協副会長で田辺三菱社長の土屋裕弘氏は、理事会を欠席したが、理事会の始まる前にメンバーに「信頼を失墜させ、会員社にご迷惑をおかけした」といった趣旨の謝罪をしたという。

この処分発表では庄田隆会長(第一三共社長)は会見には出席せず、文書で「薬事法違反で行政処分を受けたことは、医薬品に対する信頼を損ねるものであり、誠に遺憾であります」「当協会としては、今後2度とこのような違反行為が生じないよう会員会社に徹底してまいります」とのコメントを発表。会員各社に子会社の管理監督体制などに万全を期すことを呼びかけるとともに、01年に制定され、製造販売承認制度を導入した薬事法大改正以後も見直ししていなかった法令順守ガイドラインの見直しを検討すると表明した。

 

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