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ゼリア 世界初の機能性ディスペプシア治療薬「Z-338」 今秋にも国内申請

公開日時 2010/06/29 04:01

ゼリア新薬は6月28日、世界初の機能性ディスペプシア(FD)治療薬となる可能性があるアコチアミド塩酸塩水和物(一般名、開発コード:Z-338)について、日本で申請準備段階に入ったと発表した。今秋の申請を目指す。機能性消化器疾患の最新国際診断基準「ローマIII基準」に基づいて実施された国内フェーズ3試験で、有効性と安全性で良好な結果が得られた。同社は、ローマIII基準に基づくFD患者を対象とした試験で有効性を証明し承認された薬剤はないとし、「世界初のFD治療薬として、世界に先駆けて日本で発売されることが期待される」とコメントした。

FDは、食後の膨満感、早期満腹感(飽満感)、心窩部痛などの消化器症状を訴えるものの、原因となる器質的疾患が見当たらない疾患のこと。FDの原因は解明されていないが、食物の胃から小腸への排出遅延が密接に関連しているとされる。日本では成人の4分の1にFDの症状が見られるという。アコチアミドは、神経伝達物質アセチルコリンの分解酵素である末梢のアセチルコリンエステラーゼを阻害する作用に基づいて、胃からの食物排出遅延を改善し、FDの自覚症状に効果を示すと考えられている。

国内フェーズ3試験は国内67施設、FD患者897例を対象に、アコチアミド群とプラセボ群のいずれかに無作為に割り付けて行った。アコチアミド100mgを1日3回、4週間投与して、プラセボに対する有効性と安全性を検証した。主要評価項目は、FDの全般的症状や、▽食後の膨満感▽上腹部膨満感▽早期満腹感――の3つの症状の消失率に関して、薬剤投与前と投与4週間後の変化とした。その結果、アコチアミド群で統計的に有意な改善を示したという。安全性でも、副作用の発現率で両群間に差はなかったという。詳細な数値は学会などで発表する。

また、FD治療に関しては、過去にQT延長(心毒性)によって販売中止になった薬剤もあり、QT延長が最も懸念される。この点について同社は、「(アコチアミドは)米国での試験でQT延長はないとの結果が出ている」とコメントした。

アコチアミドはゼリアの自社創製品。国内フェーズ3からアステラス製薬と共同開発している。ゼリアが製造販売承認を取得・製造し、同一販売名称で両社がコ・マーケティングする予定だ。また、ゼリアは米欧でも同剤を開発しており、現在フェーズ3準備段階にある。
 

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