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出生率格差 「社会的価値観」と「経済的恩恵」が左右

公開日時 2010/07/12 04:02

不妊治療は高額かつストレスを感じる印象が強い―― スイスのメルクセローノはこのほど、全世界の妊娠を望む約1万人を対象に大規模調査を実施したところ、回答者の大多数がこのような印象を持っていたと日本法人を通じて発表した。回答者の40%は保険適応の治療法に関する知識がなく、回答者の大多数には、正常な排卵を促す薬物治療よりも、体外受精など高度な治療に関する知識の方が普及していたこともわかった。

調査には、現在妊娠を試みている日本を含む世界18か国の1万45人が参加した。回答者は女性83%、男性17%。地域別では欧州54%、米国27%、アジア太平洋地域16%など。参加者の61%が不妊症で治療を受けていると申告した。調査目的は妊娠を望むカップルの意思決定に至る過程を明らかにするため。不妊治療領域の世界的リーダーの同社が英国カーディフ大学と連携し、英国経済社会学術評議会と国際不妊患者団体連合ネットワークの支援を得て行われた。

調査結果では、世界各国の間の出生率の差は、親になることや子供についての社会的価値観や、関連する経済的恩恵が最大の要因と分析した。一方で、国によって異なるものの、不妊や不妊治療に関する知識の普及度は低く、例えば回答者の約半数が40代女性と30代女性で妊娠確率が同じと誤解していたほか、大多数の回答者が性感染症、男性の思春期以後の耳下腺炎への罹患、女性の肥満――が不妊リスクを高める可能性があることを知らなかった。また、妊娠を望み、性生活を12か月(35歳以上は6か月)営んでも妊娠に恵まれない場合、そのカップルは不妊症の可能性を考え、妊娠を望むのであれば受診すべきとされているが、この知識を持つ回答者は半数に満たなかったという。
 

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