新薬8製品が承認へ ファイザーの経口HER2陽性乳がん治療薬・ツカイザなど 薬事審・第二部会が了承
公開日時 2026/01/30 04:48
厚生労働省の薬事審議会・医薬品第二部会は1月29日、ファイザーのHER2陽性乳がんに対する経口HER2阻害剤・ツカイザ錠(一般名:ツカチニブ)など新薬5製品の承認の可否を審議し、承認を了承した。ツカイザは化学療法歴のある患者にトラスツズマブ及びカペシタビンと併用して使用する。
このほか審議品目で承認が了承されたのは、アストラゼネカの抗TSLP抗体・テゼスパイア皮下注の鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(CRSwNP)の効能追加など。
報告品目は、キイトルーダの頭頸部がんにおける術前・術後補助療法の効能追加など3製品で、いずれも承認が了承された。部会を通過した8製品は2月に正式承認される見込み。
【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
▽テゼスパイア皮下注210mgシリンジ、同皮下注210mgペン(テゼペルマブ(遺伝子組換え)、アストラゼネカ):「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(令和14年9月25日まで)。
抗TSLP抗体。国内では22年9月に気管支喘息の適応で承認されており、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(CRSwNP)は、それに続く2つ目の適応となる。CRSwNPの用法・用量は「通常、成人には1回210mgを4週間隔で皮下に注射する」。
なお、国内でCRSwNPの適応で承認されている生物製剤には、抗IL-4/13受容体抗体・デュピクセント皮下注(2週間隔で皮下投与。症状安定後には4週間隔)、抗IL-5抗体・ヌーカラ皮下注(4週間隔で皮下投与)、抗IL-5抗体・エキシデンサー皮下注(26週間隔で皮下投与)がある。
海外でテゼスパイアは、2025年11月現在、CRSwNPに係る効能・効果で米国及び欧州で承認されている。
▽サフネロー皮下注120mgオートインジェクター(アニフロルマブ(遺伝子組換え)、アストラゼネカ):「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間は6年。
抗I型インターフェロン受容体1抗体。現在、全身性エリテマトーデス(SLE)に対して点滴静注製剤が「4週間ごとに30分以上かけて点滴静注する」との用法・用量で承認されている。今回、皮下投与製剤を追加するもので、その用法・用量は「通常、成人には1回120mgを1週間ごとに皮下注射する」。
海外では、2025年11月現在、ブラジルで承認されている。また、同年12月には欧州で承認された。
▽イラリス皮下注射液150mg(カナキヌマブ(遺伝子組換え)、ノバルティス ファーマ):「シュニッツラー症候群」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。
抗IL-1β抗体。追加適応となるシュニッツラー症候群は、慢性蕁麻疹様皮疹と単クローン性免疫グロブリン血症を特徴とし、間欠熱、骨痛、関節痛(関節炎)を伴う希少な自己炎症性疾患。
その用法・用量は「通常、成人には体重40kg以下の患者では1回2mg/kgを、体重40kgを超える患者では1回150mgを8週毎に皮下投与する。十分な臨床的効果がみられない場合には追加投与又は適宜漸増するが、1回最高用量は体重40kg以下の患者では4mg/kg、体重40kgを超える患者では300mgとする」。
海外でイラリスは、2025年12月現在、欧米を含む50以上の国又は地域で承認されているが、シュニッツラー症候群の効能・効果で承認されている国又は地域はない。
▽ツカイザ錠50mg、同錠150mg(ツカチニブ エタノール付加物、ファイザー):「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。
HER2選択的チロシンキナーゼ阻害剤。用法・用量は「トラスツズマブ(遺伝子組換え)及びカペシタビンとの併用において、通常、成人には1回300mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」。
海外では、2025年9月時点において、化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳がんに係る効能・効果で、50以上の国又は地域で承認されている。
▽ボンベンディ静注用1300(ボニコグ アルファ(遺伝子組換え)、武田薬品):「von Willebrand病患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は6年1日。
遺伝子組換えヒトフォン・ヴィレブランド因子製剤。現在、フォン・ヴィレブランド病(VWD)に対して18歳以上の患者に対する用法・用量が設定されており、今回、18歳未満にも投与可能とするもの。
海外でボンベンディは、2025年10月時点で米国、欧州を含む30以上の国又は地域で承認されている。
【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。
▽キイトルーダ点滴静注100mg(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)、MSD):「局所進行頭頸部がんにおける術前・術後補助療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
抗PD-1抗体。用法・用量は、術前補助療法では単独投与、術後補助療法では放射線療法又はシスプラチンを用いた化学放射線療法との併用となっている。
海外では、2025年10月時点において、頭頸部扁平上皮がんにおける術前・術後補助療法に係る効能・効果で13の国又は地域で承認されている。
▽ベスレミ皮下注250μgシリンジ、同皮下注500μgシリンジ(ロペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)、ファーマエッセンシアジャパン):「真性多血症(既存治療が効果不十分又は不適当な場合に限る)」を効能・効果とする新用量医薬品。再審査期間は残余(令和13年3月26日まで)。
ロペグインターフェロンα-2b製剤。現在、真性多血症に対して、「1回100μg(他の細胞減少療法薬を投与中の場合は50μg)を開始用量とし、2週に1回皮下投与する。患者の状態により適宜増減するが、増量は50μgずつ行い、1回500μgを超えないこと」との用法・用量が設定されている。
今回、急速漸増投与の用法・用量(B法)を追加するもの。具体的には「通常、成人には、1回250μgを開始用量とし、忍容性が良好であれば2週後に1回350μg、さらに2週後に1回500μg、以降は2週に1回500μgを投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」。
海外では、2025年10月時点において、真性多血症に対する急速漸増投与の用法・用量は、中国のみで承認されている。
▽メキニスト錠0.5mg、同錠2mg(トラメチニブ ジメチルスルホキシド付和物、ノバルティス ファーマ):「がん化学療法後に増悪した低異型度漿液性卵巣がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。再審査期間は残余(令和8年3月27日まで)。
MEK阻害剤。事前評価済み公知申請品目であり、保険適用済み。用法・用量は「通常、成人には2mgを1日1回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」。
海外でメキニストは、欧米等6カ国(米国、英国、ドイツ、フランス、カナダ及びオーストラリア)において、がん化学療法後に増悪した低異型度漿液性卵巣がんに対して承認されていないものの、海外診療ガイドラインにおいて、治療選択肢の一つとして記載されている。