インフルワクチンの接種準備が負担に 看護師1000人調査で判明
公開日時 2010/07/13 04:01
インフルエンザワクチンの接種業務で日常業務に支障をきたした―― 新型及び季節性インフルエンザワクチンの接種希望者が殺到した2009-10年シーズン。医療現場では様々な混乱があったと指摘されるが、日本ベクトン・ディッキンソンがこのほど看護師に意識調査したところ、回答者の6割が日常業務に支障があったと答えた。特にワクチンがバイアル製剤の場合、開封後からの使用期限が短いため当日の準備を余儀なくされるうえ、バイアルから注射器に正確かつ安全に充填する作業もあり、大きな肉体的・精神的な負担になったこともわかった。
また、ワクチン不足が取り沙汰される中で、回答者の約半数が「ワクチンを使いきれず廃棄した経験がある」と回答。更に約25%が「ワクチンの無駄をなくすよう、メーカーに改善してほしい」と要望するなど、複数人分のワクチンが充填されているバイアル製剤の課題も浮き彫りになった。
この調査結果を受けて日本医科大学付属病院看護師長の藤田昌久氏は、「ワクチン接種に伴う作業の軽減や効率化を進めるとともに、リスクマネジメントの観点からも改善が求められる」とコメント。北里大学東病院薬剤部の平山武司氏は、「インフルエンザワクチン接種にあたっての課題として作業負担、安全性、未使用ワクチン廃棄の3つの問題点が明らかになった」とし、予め注射器にワクチン1人分が充填された状態で医療現場に供給されるプレフィルドシリンジ製剤を用いることで問題解決につながると訴えた。
調査は09年10月~10年2月の間にインフルエンザワクチンを患者に接種した全国の看護師1000人を対象に実施した。方法はインターネット。調査期間は10年5月14日~同28日。