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ファクターXa阻害剤・アピキサバン アスピリン上回る脳卒中発症抑制効果

公開日時 2010/09/02 04:02

脳卒中、全身性塞栓症の高リスクで、ビタミンK拮抗薬による治療では不安定な心房細動患者に、ファクターXa阻害剤・アピキサバンを投与したところ、アスピリンを上回る脳卒中、全身性塞栓症の発症抑制効果があることが分かった。同剤のフェーズ3「AVERROES」の結果から示された。カナダのS.Conolly氏が8月31日、スウェーデン・ストックホルムで開催されている欧州心臓病学会議(ESC)の「HOT LINE」セッションで報告した。


試験は、ビタミンK拮抗剤(ワルファリン)による治療を行っても、十分な治療効果が得られない(継続できない症例も含む)脳卒中発症リスクが高い心房細動患者を対象に、アピキサバンの脳卒中、全身性塞栓症の発症抑制効果を検討することを目的に実施された。国際的に、心房細動患者の脳卒中発症抑制を目指した治療の第1選択薬はワルファリンだが、出血があるなどワルファリンの投与が禁忌とされる症例には、アスピリンの投与が推奨されている。


試験では、心房細動で、脳卒中の発症リスクが1つ以上あり、かつビタミンK阻害剤(ワルファリン)による治療では不安定な心房細動患者5600人を、▽アピキサバン5mg(選択された患者には2.5mg)1日2回投与群2809人▽標準療法であるアスピリン投与群(81~324mg/日)2791人――の2群に分け、治療効果を比較した。主要評価項目は、脳卒中、全身性塞栓症の発症率。主要な安全性評価項目には、重大な出血を据えた。日本を除く米国、中国、韓国など世界36カ国522施設で実施された。対象患者の平均年齢は70歳、CHADS2スコアの平均値は2.1だった。


その結果、主要評価項目の発症率は、アピキサバン群で1.7%/年だったのに対し、アスピリン群では3.9%/年で、アピキサバン投与群はアスピリン投与群に比べ、54%発症リスクを抑制した(95%CI:0.33~0.64、P値<0.001)。


一方、安全性については、アピキサバン群で重大な出血が1.4%/年(44イベント)だったのに対し、アスピリン群では1.2%/年(39イベント)で、有意差はみられなかった(P値=0.56)。懸念された頭蓋内出血は、アピキサバン群で0.4%/年(13イベント)に対し、アスピリン群0.3%/年(12イベント)で、有意差はみられなかった(P値=0.83)。なお、同剤はブリストル・マイヤーズ スクイブとファイザーが開発を行っている。

 

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