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オムロンヘルスケア 血圧測定時に心房細動の可能性検出 AI活用の新技術開発 全血圧計への搭載目指す

公開日時 2024/11/29 04:50
オムロンヘルスケアは11月28日、血圧測定時に不整脈の一種である心房細動の可能性を検出する血圧計搭載アルゴリズム・Intellisense AFibを新たに開発したと発表した。血圧測定時に取得する圧脈波データを解析して検出することで、心房細動の早期発見と治療介入につながると期待される。東京都内で開かれたメディア向け発表会で、同社技術開発統轄部の濵口剛宏統轄部長は「将来的に全ての血圧計に搭載することができれば、世界中で脳・心血管疾患につながるリスク低減につながる」と期待を込めた。

◎圧脈波データを解析して検出 50年の知見とAI技術に加え専門チームの改良で実現

Intellisense AFibは、心臓が拍動するときに生じる動脈内の圧力変化である圧脈波のデータを用いる。血圧測定時に腕帯で動脈を圧迫する際に圧脈波データを取得し、解析することで心房細動の可能性を検出する仕組み。圧脈波パターンは人によってさまざまで、個人で特徴が異なる。同社では50年にわたり蓄積してきた圧脈波データに関する知見とAI技術を組み合わせ、さらに心電・脈波解析の専門チームが改良を重ねて実現した。米国4拠点(5施設)で行われた臨床試験では、正しく検出する「感度」は95%、病気でない人を検出する「特異度」は98%の結果が得られたという。濵口統括部長は「膨大なデータに最新技術と深い経験を掛け合わせることで、非常に精度の高い心房細動検出アルゴリズムが完成した」と強調した。

すでに中国、欧州では販売を始めており、米国FDAでは新規医療機器として安全性と有効性が保証され、リスクが軽度から中等度の場合に適用されるDeNovo認可を10月に取得し、2025年2月の発売を見込む。日本では25年度中の承認取得を目指す。導入される血圧計について当初は上位機種としたが、濵口統括部長は「将来的には我々が扱う全ての血圧計に機能を入れていきたい」と意欲を示した。

◎日本医科大・清水教授 日常の血圧測定で把握 「早期発見に非常に価値ある」

発表会では心房細動管理の重要性について、日本医科大学大学院医学研究科循環器内科学分野の清水渉教授が講演した。清水教授は心房細動の弊害として脳梗塞や心不全、認知症といった健康寿命や生命予後に大きく影響する疾患につながると説明。一方で、心房細動の診断なく脳卒中を発症したり、症状がない無症候性だったりするケースも多く、「隠れ心房細動を見つけることが大事だ」と訴えた。Intellisense AFibでは心電図測定は行わないため、あくまで心房細動の受診勧奨につなげる位置付けだが「日常の血圧測定で心房細動の可能性を把握できれば病院に行くきっかけになり、早期発見や場合によってはほかの疾患の予防につながり、非常に価値がある」と評価した。
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