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【WSCリポート】Large Clinical Trials Closing Session  AVERROES試験の結果を報告 

公開日時 2010/10/18 06:00

ファクターXa阻害剤・アピキサバンの臨床第3相試験(P3)「AVERROES」試験の結果が韓国・ソウルで開かれた第7回世界脳卒中学会議(WSC)のプレナリーセッション「Large Clinical Trials Closing Session」で報告された。試験結果は、今年の欧州心臓病学会(ESC)で発表されたもの。


独・University Hospital Essen神経内科教授のHans-Christoph Diener氏はアピキサバンの特徴として、①経口の選択的Xa阻害作用を持つ②半減期が12時間で、腎排泄(25%)だが、複数の排泄経路を持つ③通常の抗凝集能検査が必要ない④整形外科の静脈血栓塞栓症(VTE)の有効性・安全性がすでに示されている――とした。


試験では、心房細動で、脳卒中の発症リスクが1つ以上あり、かつビタミンK阻害剤(ワルファリン)による治療では不安定な心房細動患者5600人について、▽アピキサバン5mg(選択された患者には2.5mg)1日2回投与群2809人▽標準療法であるアスピリン投与群(81~324mg/日)2791人――の2群に分け、治療効果を比較した。主要評価項目は、脳卒中、全身性塞栓症の発症率。主要な安全性評価項目には、重大な出血を据えた。日本を除く米国、中国、韓国など世界36カ国522施設で実施された。対象患者の平均年齢は70歳、CHADS2スコアの平均値は2.1だった。


その結果、主要評価項目の発症率は、アピキサバン群で1.6%/年だったのに対し、アスピリン群では3.6%/年で、アピキサバン投与群はアスピリン投与群に比べ、54%発症リスクを抑制した(95%CI:0.33~0.64、P値<0.001)。致死性の脳梗塞はアスピリン20イベント、アピキサバンで18イベントで、アピキサバンの投与により、33%発症リスクを抑制した(P値=0.18)。


特に、強い効果を示したのが、比較的症状が悪化したmRSが3~6点の患者で3、アピキサバンの投与により脳梗塞の発症を55%有意に抑制している(P値<0.001)。


◎Diener氏 「リスクとベネフィットのバランスが取れた薬剤」


一方、安全性については、アピキサバン群で重大な出血が1.4%/年(44イベント)だったのに対し、アスピリン群では1.2%/年(39イベント)で、有意差はみられなかった(P値=0.56)。懸念された頭蓋内出血は、アピキサバン群で0.4%/年(13イベント)に対し、アスピリン群0.3%/年(12イベント)で、有意差はみられなかった(P値=0.83)。そのほか、肝機能値の上昇などの頻度も2群間に有意差はみられなかったとした。


Diener氏は、心房細動への治療効果をアスピリン単剤と比較した複数の臨床試験を引き合いに出し、今回の試験結果のインパクトを説明した。脳卒中の発症抑制効果について、「ACTIVE A」試験などから、クロピドグレル+アスピリン(アスピリンと比べ、28%の抑制)、ビタミンK阻害剤(同、38%の抑制)を上回る“52%”の発症抑制効果があるとした。一方、出血についてはクロピドグレル+アスピリン(アスピリンに比べ、87%の増加)、ビタミンK阻害剤(同、128%)に比べ、少なく、9%増加するにとどまるとのデータを示し、リスクとベネフィットのバランスが取れた薬剤であるとしている。


Diener氏は、これらの結果から、「ビタミンK阻害剤の投与が適切でない心房細動患者に対し、アピキサバンは治療効果を示した」と結論づけている。


 

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