日本CSO協会が発足 加盟9社 会長にクインタイルズの清水社長
公開日時 2011/06/02 04:01
日本CSO協会が6月1日、発足した。今後の需要増を見込み、製薬企業へ派遣されるなどして働くコントラクトMR(CMR)の質の向上、各CSOの企業体質の強化など業界として一致して取り組み、CSOに対する一層の信頼性の確立を図る。主要なCSOの9社が加盟し、会長には、トップシェアのクインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンの清水昇社長が就任した。
CSOは「Contract Sales Organization」の略で、製薬企業の営業支援を様々な手法を用いてサービスする業態で、日本に登場して14年。近年2桁の成長をとげている。その中で、製薬業界は売れ筋の新薬が、抗がん剤などより専門性の高いものにシフトするなど様変わりし、その中で、CSOにはより多彩で、高いサービス水準が求められる状況にある。
協会としては、2015年にはCMR数5000人、アウトソーシング率8~10%と現在の倍以上に国内市場規模が成長すると見ている。その需要増に応え、CSOを成長させるためには業界全体でサービスの向上に取り組む必要性があるとの認識で関係者間で一致、協会の設立に至った。
そこで協会は、メーカーのMRとは異なるCMRの職能を確立するとともに、人材の質の向上に注力する。併せて、コンブライアンス体制の強化などCSOの企業体としての体質強化にも取り組み、顧客となる製薬企業からの信頼性を一層高めたい考え。そのため業界の関係データも積極的に公表し、理解を得ていく。また、関係官庁、業界との連携も進め、医薬品産業、医療の発展に向け共に取り組む関係を構築していく方針だ。
これらに取り組むため協会は、▽人事・教育▽法務・ガイドライン▽広報・マーケティング--の運営委員会を設置し、近く活動計画を詰め、具体的な活動を展開していく。1日に東京都内で記者会見した清水会長(左写真)は、「成長のカギは質。(CSOの)企業とMRの双方の質を向上させていきたい」と抱負を語った。
加盟会社は次のとおり。IML、アプシェ、アポプラスステーション、インヴェンティブ・ヘルス・ジャパン、オースクエア、クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン、シミックエムピーエスエス、ファーマネットワーク、メディサイエンスプラニング。会長以外の役員は、副会長・市来研志氏(ファーマネットワーク顧問)、理事・佐野極氏(シミックエムピーエスエス社長)、監事・日比野恒子氏(アポプラスステーション会長)。