医師に比較効果研究を AHRQが学術ディテール活動を開始
公開日時 2011/07/15 04:00
米国復興・再投資法(ARRA)により、11億ドルの予算投入が認められた、米国ヘルスケア研究・品質機構(AHRQ)の推進する比較有効研究(CER)を普及させる一つの方法として、学術ディテーリングを活用しようという取組みがスタートするが、一部関係者の眉を顰めさせている。
米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、CERによりどのような情報が伝えられ、ディテーリングチームを誰が監督するのかについて懸念を持っている。
ヘルスケアアウトカム研究や教育サービスを行っている企業のTotal Therapeutic Management(TTM) が2010年9月に1億1700万ドルで学術ディテーリング計画について3年間の契約を獲得した。同契約では、1300軒の開業医、200軒の健康保険組織・病院・医師グループを対象とし、各施設に6回の訪問を行う。今回のトピックは糖尿病で、今後、心血管、高血圧、精神衛生、筋骨格疾患が考慮されている。資材はACCME(医学生涯教育認定評議会)の基準に従う。
TTMのBarry Patel社長兼共同創設者は、今回の主目的はCERを普及させることと述べたうえで、「医療提供者にCERを活用する能力を与え、意思決定のツールとしての使い方を教えること」と説明、政府機関AHRQがスポンサーとなっているプロジェクトのため個々の製品にはフォーカスを絞らないと明言している。同社長は、通常のディテーリングでは製薬企業は医師が製品について、ある疾患でそれがどのように使用されるのか教育され、その製品の使用を促進されることを念頭に置いているが、学術ディテーリングは、医療供給者に意思決定の助けになるような特定の疾患について入手可能な最新のエビデンスの集積を提供することを目的にしていると説明する。
(The Pink Sheet 6月27日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから