カナダ 「患者志向研究」戦略を進める
公開日時 2011/09/30 04:00
カナダ政府は患者が「適正な時に適正な治療を受けられること」を目的とした有効性比較研究(POR)戦略の策定を進めている。カナダヘルスリサーチ研究所(CIHR)は、2025年までに、患者のアウトカム改善が示され、ヘルスケアシステムの全段階でエビデンスを蓄積、患者のヘルスケアでの経験(の質)の向上を目標としている。
CIHRの同戦略は、「患者は適正な時に適正な場所で適正な治療を受けることを、また、州政府およびヘルスケア行政官は、患者のニーズに応えた費用対効果の高い、効率的で手ごろな価格で利用できるヘルスケアシステムを構築、カナダ政府の科学技術振興策の主要項目に合致させ、研究の商業化を推進させるためにパートナーとの協働の機会を設けるなど、ヘルスケア分野の全関係者に価値を提供する」ことを謳っている。
この目的に到達するために具体的には、①カナダで患者志向研究(POR)を推進、確立するための協力体制の構築、②PORを維持しながらカナダでの最先端の臨床試験インフラの構築、③PORにおけるキャリアパスを提供する一方、医療関係者・研究者の教育やPORを魅力あるものにする力を向上させる、④カナダにおける臨床研究に対する組織的・規制的・財政的支援および同研究への患者・臨床医の参加を促進させる‐などを謳っている。CIHRは同作戦を具体化するに当たり、まず、運営委員会を立ち上げ、具体策を実施したい考え。
(The Pink Sheet 8月29日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから