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ダビガトランのメタ解析 全死亡低下も心筋梗塞やACSのリスク上昇の可能性 

公開日時 2012/01/13 04:00

経口直接トロンビン阻害薬・ダビガトランエテキシラート(国内商品名・プラザキサ)服用患者は、全死亡は低下するものの、心筋梗塞や急性冠症候群(ACS)のリスクが上昇する可能性が示唆された。このような結果をまとめたクリーブランドクリニック・脳血管センターのグループによるメタ解析の結果が1月9日付のArchives of Internal Medicine オンライン版に掲載された。


メタ解析の対象は、2011年5月時点でPubMed、Scopus、Web of Scienceで検索可能だったダビガトランの無作為化比較試験で、副次評価項目に心筋梗塞、ACSを含む7試験。この中にはダビガトランでは最大規模の無作為化比較試験「RE-LY」が含まれ、うち4試験は、臨床試験の質を評価するJadad scaleのスコア5点、残る3試験についてはスコア4点、3点、2点が各1試験となっていた。総症例数は3万514例。ダビガトランの比較対象は、至適用量のワーファリン3試験、低分子ヘパリン・エノキサパリン3試験、プラセボ1試験。


解析結果では、心筋梗塞・ACS発症頻度は、ダビガトラン群1.19%、コントロール群0.79%で、Mantel-Haenszel検定によるオッズ比は1.33(95%CI:1.03~1.71、p=0.03)とダビガトラン群で発症頻度が高い傾向が認められた。他の検定手法3種類によるオッズ比も1.30前後でほぼ同様の結果。絶対リスク差はMantel-Haenszel検定で0.27、その他2手法では0.14だった。


一方、全死亡評価がある6試験の比較では、全死亡率はダビガトラン群4.83%、コントロール群5.02%(オッズ比0.89、95%CI:0.88~0.99、p=0.04)で、ダビガトラン群で低かった。


心筋梗塞やACSのリスクが増加しながら、全死亡率がダビガトラン群で低率だったことについて、同報告では「現時点ではダビガトランが心筋梗塞やACSの増加に影響する薬理学的作用機序は不明である」と指摘。また、対象ではアスピリンの併用可能だったが、ダビガトラン群とコントロール群で併用比率はほぼ同等であり、こうした影響も考えにくいとして「ワルファリンやエノキサパリンの心筋梗塞予防効果が不十分だったのかもしれない」と分析した。同時に、今回の解析では全死亡があくまで副次的評価項目だったことや試験選択でも心筋梗塞やACSの評価があるものに限定したことも前提に解釈しなければならないとしている。


また、解析の限界として、メタ解析ながらも全症例数の59%、心筋梗塞とACSのイベントの74%がRE-LY試験のデータで占められていたとしたが、「他の試験でもダビガトラン群では心筋梗塞とACSの発生頻度は高めであり、複数の検定手法でも結果は同じだった」と主張。ダビガトラン使用はリスク・ベネフィットは、非弁膜性心房細動に起因する脳卒中予防には好ましいとしたが、「とりわけ心イベントのハイリスク症例ではダビガトランの心リスクのさらなる検討が必要」と指摘している。

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