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生成AIでの薬剤・疾患情報の収集 医師の35%が経験 MRへの問合せ「減った・やや減った」は16.8%

公開日時 2026/02/06 04:52
医師の35%がChatGPTやGeminiなどの生成AIを用いて薬剤・疾患関連情報(以下、薬剤情報)を収集した経験があり、40歳未満の若手医師では6割近くに達している――。このような調査結果を製薬デジタルマーケティング支援会社のMCI DIGITALがまとめた。生成AIや検索エンジンのAIモード/AIアシスタント機能の活用により、MRへの問い合わせが「減った・やや減った」と回答した医師が16.8%にのぼることも確認できた。AIの普及は医師の情報収集スタイルを変化させており、MRには生成AIを活用する医師へのアプローチ手法の検討が求められそうだ。

文末の「関連ファイル」に、医師の生成AIでの薬剤・疾患情報の収集状況に関する資料を掲載しました(会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。

MCI DIGITALは、医師の薬剤情報の収集における生成AIの活用実態などを把握するため、2025年10月に調査を実施した。調査対象者は製薬企業サイトやその他医療関係企業サイトを閲覧している医師。有効回答数は5094人。方法はインターネット調査。調査結果は、医師版デジタルマーケティング白書2025年冬号に掲載している。

◎生成AIで情報収集する医師 24年1月15.4%→25年10月35.2%

生成AIを使用して薬剤情報を収集した経験がある医師は、この2年間で2倍以上に急増した。同社が24年1月に実施した調査(以下、24年1月調査)では、「利用経験あり」の医師は15.4%にとどまっていたが、25年10月調査(以下、今回調査)では35.2%となった。

25年は生成AIの普及が世界的に一気に加速した。背景には、特定のスキルがなくても、ブラウザやアプリから自然な会話形式で情報を引き出せる“利便性”と、即座に実用的な回答が得られる“即効性”が普及を後押ししたといわれる。日本の医師にとっても、生成AIが薬剤情報の収集ツールとして浸透しつつあるといえそうだ。

◎年代別の利用経験 30歳代以下58.2% 40歳代41.3%、50歳代26.8%

医師の年代別に生成AIの「利用経験あり」の割合を見てみると、30歳代以下(40歳未満)は58.2%、40歳代は41.3%、50歳代は26.8%、60歳代以上は19.7%――で、若手医師ほど生成AIを使っている実態が確認できた。

新薬処方の積極性の切り口で分析すると、全体では新薬をいち早く採用・処方する医師ほど生成AIの活用に積極的だった。しかし、30歳代以下の若手医師は、新薬処方に慎重な「他の医師の経験を参考」にしてからとの層であっても、半数を超える54.5%が生成AIで薬剤情報を収集していた。若手医師では生成AIは既に標準的なリサーチ手段として定着していると言っても過言ではなさそうだ。

なお、生成AIを使用して薬剤情報を収集した経験がある医師を対象に生成された情報の信頼度を聞いたところ、「信頼できる」(14.1%)、「どちらかと言えば信頼できる」(70.3%)となり、8割以上の医師が生成情報に肯定的な見方を示した。

◎医師の6割超がAIの“出典”を確認 情報収集の自己完結が加速

25年にGoogleやヤフーなどの検索サイトに相次ぎ登場した、キーワード検索による検索結果画面の上部に生成AIが回答を表示する機能(以下、AIモード/AIアシスタントによる回答)の利用状況を見てみる。

直近3カ月のキーワード検索において、AIモード/AIアシスタントによる回答を「確認する」医師は、生成AIツールで薬剤情報の収集経験がある医師の73.9%にのぼった(「よくする」23.3%、「ときどきする」50.6%)。生成AIツールでの情報収集経験がない医師でも約3割が確認(「よくする」5.6%、「ときどきする」25.7%)しており、AIによる生成情報が医師の目に触れる機会は増加している。

また、AIモード/AIアシスタントによる回答に表示される出典リンクのクリック経験は、生成AIツールで情報収集経験のある医師の6割以上(「よくする」19.0%、「ときどきする」46.5%)に達した。情報収集から正確性の確認までをAIとWeb上で自己完結する動きは、今後さらに加速する可能性がありそうだ。

◎生成AI利用後の医師の行動 MRへの問い合わせ「減少」が「増加」を上回る

生成AIから情報を得た後の医師の行動も気になるところだ。調査結果によると、「MRへの問い合わせ」、「製薬企業ウェブサイトへのアクセス」、「医療系ポータルサイトへのアクセス」のいずれも約7割が「変わらない」と回答した。一方で、残る3割の医師は行動変容がみられた。

MRへの問い合わせに関しては、「増えた」(2.8%)、「やや増えた」(8.4%)との医師が計11.2%だったのに対し、「減った」(9.9%)、「やや減った」(6.9%)は計16.8%となり、「増えた・やや増えた」を上回った。問い合わせの減少理由は「生成AIでWeb上の公開情報なら、すぐに入手できる」(74.3%)が突出しており、「生成AIで解消しない疑問に絞って問い合わせるようになった」(28.2%)が続いた。

自ら情報の正確性まで確認し、自己完結型の情報収集にシフトする医師に対し、MRには“検索でわかること”以上の付加価値や、対話を通じた医師インサイトの把握がより求められそうだ。

MRへの問い合わせが増えた理由の上位2つは、「生成AIで得られない情報があるため」(57.7%)、「生成AIで得た情報だけでは信頼性に不安があるため」(51.3%)――だった。また、23.2%の医師は「AIで疑問点が整理され、MRに質問する機会が増えた」と回答し、AIが対話を促進する側面も確認された。

このほか、「製薬企業ウェブサイトへのアクセス」は「増えた・やや増えた」が計18.1%、「減った・やや減った」が計16.6%――、「医療系ポータルサイトへのアクセス」は「増えた・やや増えた」が計21.9%、「減った・やや減った」が計10.7%――だった。
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