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今後の展望を語る:J&J Gorsky新CEO会見

公開日時 2012/05/25 04:00

4月26日、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のCEOにBill Weldon氏に代わってAlex Gorsky氏が就任した。同氏は、ウェストポイントの陸軍士官学校を卒業後、1988年にJ&Jに入社、医薬品ビジネスを15年経験後、2004年にノバルティスに転職、その後、2009年にJ&Jに復帰、医療機器ビジネスを経験した。その後、J&J副社長に就任した。The Pink Sheetは、同氏がCEO就任6週間前に専門誌「IN VIVO」と会見した模様を抜粋した。

David Cassak記者(記者):入社した当時のことを教えてほしい。
Alex Gorsky (AG):J&Jのまだスタート当初だったヤンセン部門でMRを務めた。当初の売上は1億ドルだったが、R&D組織には優れた人材が大勢いた。中には、世界で多数の薬剤発見を行った人物の1人であるPaul Janssen博士もおり、博士と一緒に過ごせたことは幸運だった。ヤンセンはまだ規模が小さかったが、90年代には一連の化合物を生み出し、その後12年以上かけて、有力な化合物のおかげで1億ドルから30億ドルに成長した。

記者:どのような薬剤があったか?
AG:もっとも有名なのはRisperdalだ。そのほか、フェンタニルであるAlfenta、Sufenta。それから市場から撤退したPropulsidがあるが、これも成長に寄与した。会社は、わたしが入社したとき300番目の社員だったように数えられるほどの規模だった。18カ月MRを務め、ピッツバーグでセールマネジャーになった。その後様々ポジションを経て、2001年にヤンセンの社長に就任した。

記者:社長就任間もなくノバルティスに転身したが、なぜJ&Jを辞めたのか?
AG:社長になって2年後のことだが、J&Jの幹部がやってきて、「君は良くやっているが、もっと君を伸ばしてやりたい」と言って、欧州、中東、アフリカ、ロシアで医薬品ビジネスを担当しないか誘われた。確かにJ&Jでキャリアを積んでいたが、私は、突然、「塀の向こう側の芝生はどうなっているのだろう」と考え始めた。ちょうど、私がヤンセンに入社した時、社長で30年のキャリアを持つPaul Costa氏はノバルティスに行っていた。偶然、同氏に遭い、話をした結果、同氏がノバルティスでの仕事をくれたというわけだ。

記者:ノバルティスで何をやったのか?
AG:ノバルティスには北米担当COO(最高執行責任者)として入社した。18カ月後に米州担当CEOとなった。貴重な経験だった。ノバルティスに行ってなければ同社をJ&Jと全く反対の会社と捉えることは出来なかったと思う。
 J&Jは非常に分散化し、ノバルティスは中央集権化している。一方は文化的に非常に米国的であり、他方は全くスイス的だ。J&Jは消費者製品、医薬品、医療機器にフォーカスしている。ノバルティスは消費者製品も持っているが、メインは医薬品だ。私が学んだことは、自分が能力を伸ばし、新たな薬効領域、新たなプロセス、ビジネスについての新たな考え方を学ぼうとするときはいつでも、それは間違いなく、自分をよりよきリーダーに成長させるということだ。

記者:新興国市場について伺いたい。J&Jは、中国にR&Dセンターを開設している。J&Jが構築している、新興国でのイノベーションモデルは、西欧市場で応用可能なものか?
AG:我々が中国の人と話すと彼らは我々のヘルスケアシステムについて知りたがっていることが分かる。必ずしも我々のシステムを輸入することを望んでいるのではなく、我々から学び取りたいのだ。だから、我々はR&Dセンターを開設した。多数の新興国の医療ニーズは、西欧のそれとは異なると思う。肥満治療で働いているBioDesign Programの多数の学生と会った。米国では肥満は大きなビジネスチャンスを持っているが、肥満は彼らにとって関心はあるが、胸部手術や肺疾患のような問題ほど関心をもたれない。新興国での特殊な医療ニーズや地域での解決策を見極める必要がある。
 理想的には、 これらのセンターで見つけたことを先進国市場にフィードバックさせるのが理想だ。現在、開発途上国市場は、我々の市場の12~15%だ。新興国市場の成長率は先進国市場の4~5倍になっている。先進国市場は今後も長期的に重要だが、ここに新興国市場に目を向ける理由がある。

記者:J&Jにとって、ここ数年、製品回収が重大な問題となっていた。J&Jは現在、どの程度、この回収問題の解決に向かっているのか?
AG:昨年、我々が行ったことは、生産能力と品質管理を含む国際的サプライチェーンの構築で、責任を単一の組織に持たせることにした。以前は、この機能は各事業部門のなかにあったが、これを私が責任を持つ単一部門下のサプライチェーンにした。それには2、3の理由がある。ひとつには、我々のビジネス全体で最善の実践を共有することと最善の品質管理を標準化することがあった。我々の製造過程で、もっと効率的に出来ると考えた。なぜ私がこの問題を解決できるかに自信があるのか?ここ数年で多くを学んだからだ。我々は、この問題に全面的に責任を持つが、我々は一貫した信頼に足る方法で世界の人々に偉大な製品を供給し続けるていることを指摘することが重要だと考える。

記者:J&Jは常に強いブランド力を持っている。過去の問題から長期的な悪影響の兆候はあるか?
AG:私は、J&Jのイメージと評判についての弾力性にびっくりしている。われわれの評判ランキングを見てもらえば分かるが、明らかにいくらかのネガティブな動きはあった。しかし、他社と比べると、まだ非常に強い。我々は象徴的なブランド品をいっぱい持っている。他社の製品に移ってしまう消費者に戻ってもらわなければならないことはいうまでもない。我々は消費者に戻ってもらう理由を作って上げなければならない。だが、その点に責任を持つ我々の組織がその問題解決に努力すると自信を持っている。

記者:J&Jの医薬品事業は、パイプライン枯渇で悩んでいる他のビッグ・ファーマと同じように苦労している。J&Jの医薬品事業は、それへの対応として何か準備しているか?
AG:私が医薬品事業部にいたのは、1990年代と2000年代の医薬品ビジネスが2桁成長をした黄金時代だった。最近の特許切れで業界は大きく変わってきたとみるが、ここ数年では、信じられないほどエキサイティングとなってきており、リバウンドが来ていると見ている。多数のアナリストは、我々が業界のなかでは、ベストな製品とベストなパイプラインを持っていると言っている。
 我々は過去18カ月間で5製品の承認を取得、同時期では、どの大手製薬企業よりも力強い成長を遂げている。そのなかには、素晴らしいデータを持つ、前立腺がん治療薬Zytigaや抗HIV薬、C型肝炎治療薬、心血管系用薬、神経系用薬などが控えており、現在のファーマ・グループは素晴らしい仕事をしている。ファーマ・グループが今後の我々の成長の基盤となることは明らかだ。

記者:ビッグ・ファーマの大抵のCEOは、R&Dや大量MRへの多額投資、プライマリーケア向けブロックバスターへの依存を中心とする伝統的なビジネスモデルが崩壊、新たなモデルを模索していると言うが、医薬品のビジネスモデルは修復が必要と考えるか?
AG:医薬品のビジネスモデルは、R&D組織、営業組織に関わらず、大きな変化の途上にあると思う。我々は他社を前に「浅いパイプライン」の「深い谷」を通過し、生き残っている。だが、これには、R&D面、営業面でも多くの変化を必要とした。

記者:J&Jは医療機器では非常に優位なポジションで最大手だが、医薬品ではそうではない。規模や市場シェアでJ&Jに先行する会社は多い。これらを追いかける方策はあるか?
AG:あなたの質問では、ファーマのR&Dでは規模が大きければ良いという考えが示唆されている。しかし、私はそうは思わない。過去数年間で、私は、素晴らしい化合物がユニークなアプローチをする熱心な研究者のいる小さな研究所から生まれてきたことを論じてきた。
 我々は4つの薬効領域に集中するほか、豊富な知識の開発に努めている。その知識が生産性と能力を向上させ、それが本当に「違い」を作るのだ。
 The Pink Sheet  4月30日号

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