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新規抗凝固薬の適正使用情報発信に取り組む 日本血栓止血学会総会長の内山氏

公開日時 2012/06/11 04:02

第34回日本血栓止血学会総会長の内山真一郎氏(東京女子医科大学神経内科教授)は6月7日、同総会開幕に当たっての記者会見で、昨年来上市されている新規抗凝固薬について「複数の診療科をまたぐ当学会では、専門医としての立場から見解を発信していくことが重要と考えている」との見解を表明した。また、この件に関連して同学会理事長の坂田洋一氏(自治医科大学分子病態治療研究センター分子病態研究部教授)も会見で、「抗血栓療法は、抗血栓を予防するという目的と同じベクトル上に出血リスクが存在する。新規治療薬が抗血栓と出血のバランスをどのように制御していけるかということは基礎的な作用機序も含めて、当学会が十分に検討して適切な使用を関連する診療科の医師に向けてコメントできるような活動を進めていきたい」と述べた。

会見で内山氏は、抗凝固薬に関してはこれまで約50年間、ワルファリンしかなく、同薬では治療効果のモニタリングの必要性、汎用食品や他の医薬品との相互作用などの煩雑さがあり、「現実には本来使用すべき患者に十分使用されていなかった」と説明。その中で昨年から新規抗凝固薬である直接的トロンビン阻害薬ダビガトランや第Xa因子阻害薬が登場し、ワルファリンの欠点を補う薬剤として期待が集まり、同学会でもこれら薬剤に関するシンポジウムなどが大きな目玉になっていると強調した。

そのうえで新規抗凝固薬がワルファリンを超える利便性がある一方で、「禁忌症例にまで使われて重篤な出血合併症で亡くなる患者まで発生した」と、昨年、ダビガトランに関してブルーレターが発せられた問題に言及。さらに「新規抗凝固薬は可逆的で即効性はあるものの、逆に効果の消失も早く、飲み忘れた場合にリバウンドも含めて重篤な結果を招きかねないリスクもある」として、実際に処方する臨床医と血栓止血学の基礎分野からの両面で同学会が適正使用に向けた情報発信を果たしていく必要性があるとの認識を示した。

また、坂田氏は昨年の東日本大震災に関連して同学会として、大規模災害後に増加する深部静脈血栓症対策や被災地での大規模なインフラの機能不全という状況を鑑みて、弾性ストッキング、ワルファリンの簡易検査器、血友病患者向けの血液製剤などの供給を実施したことを説明。同時に専門医の現地派遣を検討したものの、宿泊先の確保困難や東北地方での会員数の少なさなども影響して、この計画は断念しなければならなかったと振り返った。こうした教訓をもとに同学会では若手の研修医などを対象として血栓止血学に興味を持ってもらえるような形の「教育プロジェクト」を立ち上げ、次の大災害に備えていく方針を明らかにした。

 

 

 

 

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