現代人の多くは「子ども世代は自分よりも長生きする」と信じている。アメリカ人の多くも同様である。（医療ジャーナリスト西村由美子）だが、最近の研究によって、アメリカでは、実は、きちんと教育を受け、社会経済的に恵まれたグループのアメリカ人だけが健康と長寿を享受しており、十分な教育を受けていない社会経済的に立ち後れているグループでは、平均寿命が短縮している事実が明らかになった。最近の調査によって、アメリカでは、高校卒業資格を有しない（米国では高等学校までは義務教育）白人のグループで、平均寿命が短縮していることがわかった。とりわけ高校卒業資格を有しない白人の女性のグループでその傾向が顕著であるという。具体的には、1990年から2008年までの期間に、高校卒業資格を有しない白人男性では平均寿命が3年短縮...