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糖尿病治療薬Avandia 米諮問委が使用制限緩和で合意 CVリスク増加には懸念も

公開日時 2013/06/18 05:00

米食品医薬品局(FDA)の内分泌・代謝薬諮問委員会および医薬安全・リスク管理諮問委員会の合同委員会は、6月5~6日にグラクソ・スミスクライン(GSK)の糖尿病薬Avandia(アバンディア、一般名:ロシグリタゾン)の安全性について再検討を行った結果、同剤についてREMS(リスク評価・緩和戦略)などが課されている使用制限の緩和に賛成多数で合意した。


RECORDなどの試験結果から、Avandiaが心臓発作など心血管イベント発症リスクを増加させることが指摘された。この問題の取り扱いをめぐり、連邦議会からFDAに対する批判が高まるだけでなく、消費者からの市場撤退の要求も高まった。このような背景から、同合同委員会は、2010年に同剤の安全性に懸念を示し、Janet Woodcock医薬品評価研究センター長は、同剤にREMSを課すことを決めた。

今回の合同委員会では、委員会委員の大半は、2010年の決定を見直し、ロシグリタゾンの使用制限緩和に同意することを示した。


見直しは、RECORD試験の心血管系の影響についてのDuke Clinical Research Instituteによる判定に集中した。同大学は、4000例以上の症例報告や当初の心血管イベントからの1500件以上のエンドポイントの情報を解析したほか、欠測データを探すなどの努力も行った。


合同委員会の採決は以下の通り。
▽REMS(ESTAU=薬局、処方者、患者の証明を必要とする安全使用確認条件=を含む)を解除:7名
▽REMS(ESTAU)を調整(緩和に向けて):13名
▽現行REMS(ESTAU)を続行:5名
▽ロシグリタゾンの市場からの撤退:1名


両諮問委員会に参加したTufts UniversityのMarvin Konstam氏は、DCRIは、2010年に提起された懸念を払しょくするのに長い道のりを経たと話した。同氏は、「特にDCRIの努力は、イベントやバイアスの確認についての疑い、さらにありうる不正行為ついての疑いを軽減した」とDCRIを評価した。

さらに、「我々が探していたメタ解析や観察研究のデータなど役立つ情報がいま、RECORD試験などの試験結果にあり、特に死亡率のエビデンスは多く構築できたと感じている」としている。RECORDでは、Avandiaを服用した患者が、メトホルミン/スルホニル尿素製剤(SU剤)を服用した患者に比べ、心不全以外の全死亡および心血管死は数値的には少なかったことを示している。心不全発症リスクは、Avandiaおよびチアゾリジン誘導体(TZD)では、既知の安全性問題である。

◎心血管リスク増加には懸念も


UCLA(カリフォルニア大学ロスアンゼルス校)のSanjay Kaul氏は、再判定について評価を示したが、ロシグリタゾンの心血管イベントをめぐる安全性は未知数だと指摘した。その理由として、RECORDでは、メトホルミン/SU剤との比較にとどまっており、プラセボと比べたリスクについては検討していないと指摘している。


Konstam氏も、再判定はロシグリタゾンの心血管イベントをめぐる安全性についての疑念を晴らしてはいないという。しかし、「再判定は、データ全体を解釈する観点からは、処方する決断による負担を軽減する方向へ舵を切ったように思える」と話している。

The Pink Sheet 6月10日号より

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