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敵対的買収受けていたElan社 OTC中核のPerrigo社が約68億ドルで買収

公開日時 2013/08/07 03:52
ヘルスケア関連投資会社・Royalty Pharma Management LLC(本社:アメリカ・ニューヨーク、Pablo Legorreta最高経営責任者)による敵対的買収工作などにより、今後の行方が注目されていたニューヨーク、ダブリン両証券取引所上場の神経系領域のスペシャリティー製薬企業・Elan社(本社:アイルランド・ダブリン、G. Kelly Martin社長兼最高経営責任者)が、最終的にOTCを中核ビジネスとする米ナスダック上場のPerrigo社(本社:ミシガン州アレガン、Joseph C. Papa社長兼最高経営責任者)に約68億ドルで買収されることがこのほど決定した。

一部メガファーマも買収に関心を寄せていたといわれていたが、最終的には近年の競争激化により利益低下が伝えられる中堅製薬会社同士の合併で決着した。今後、規制当局の承認を経て買収完了までこぎつけることになるが、新会社は節税を目的に本社をアイルランド・ダブリンに置くことが決定している。

買収は、まず現在のアイルランド・ダブリンにあるElan社本社に、現Perrigo経営陣により新生Perrigo社を設立。現Perrigo社とElan社の株主に新生Perrigo社の株式を割り当てる。現Perrigo社株主は1株当たり新生Perrigoの株式1株と0.01ドルを割り当てられるが、Elan社株主は同社株式1株当たり新生Perrigo社株式0.07636株と現金6.75ドルを受け取る。実質的にはPerrigo社によるElan社の吸収合併となる。

買収スキームでElan社株式1株あたりの価値は、最終的に7月26日のニューヨーク証券取引所での同社株価終値に10.5%のプレミアを上乗せした形となった。この結果、新生Perrigoの株主構成は現Perrigo社株主71%、Elan社株主29%の割合となる。買収は2013年中に完了見込みで、新会社はニューヨーク証券取引所とイスラエルのテルアビブ証券取引所に上場する予定だ。

今回の買収についてPerrigo社のJoseph C. Papa最高経営責任者は「我々はさらなる国際展開に向けた、自社プラットフォームの多様化を実現した」とコメントし、買収などにより同社のセグメント別では2番手に浮上してきた医療用医薬品事業の強化を図る考えを表明している。

Perrigo社は1887年設立。アメリカ、イスラエル、メキシコ、イギリス、インド、中国、オーストラリアに主要製造・物流拠点を有する。従業員数は約9000人。直近の通期売上高は31億7320万ドル、純利益4億161万ドルで、売上の約6割をOTCが占めている。医療用医薬品の売上高は現時点では総売上高の1割強に過ぎない。

最近では事業強化を狙って積極的な買収を繰り返しており、2012年には糖尿病ケア製品のCanAm Care社(アメリカ・ジョージア州アルファレッタ)、OTC動物医療製品メーカーSergeant's Pet Care Products社(アメリカ・ネブラスカ州オマハ)、ジェネリックメーカーのCobrek Pharmaceuticals(アメリカ・イリノイ州シカゴ)、13年に入ってからも動物医療製品企業のVelcera社(アメリカ・ペンシルベニア州ヤードレー)、経口液剤メーカーのRosemont Pharmaceuticals(イギリス・リーズ)などを傘下に収めている。
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