英NICE 小児C型肝炎にPEG-IFN+リバビリン併用を推奨
公開日時 2013/12/05 03:50
英医療技術評価機構(NICE)は11月26日、英国民保健サービス(NHS)における小児および少年における慢性C型肝炎に対するペグインターフェロン(PEG-IFN)と抗ウイルス薬・リバビリンの併用を推奨するガイダンスを発表した。
現在英国では、PEG-IFNとリバビリンの併用が小児および少年における慢性C型肝炎に対する唯一の承認済みの治療法である。同併用療法は、成人の慢性C型肝炎の適応も取得している。
英国では、PEG-IFNは、Roche Products社のPegasys(日本製品名:ペガシス、一般名:PEG-IFNα-2a)およびMerck Sharp & Dohme(MSD)社のViraferonPeg(日本製品名:イントロンA、PEG-IFNα-2b)が承認されている。リバビリンは、Roche Products社のCopegus(日本製品名:コぺガス)およびMSDのRebetol(日本製品名:レベトール)が承認されている。
評価委員会は、平均年齢11歳の小児で、体重35.5kg、体表面積1.19㎡とすると、PEG-IFNとリバビリンの併用の薬剤費は24週間コースで3700ポンド、48週で7400ポンドとなると計算した。
なお、PEG-IFNとリバビリン経口液剤の併用の薬剤費は24週間コースで4000ポンド、48週で8100ポンドになる。Rebetolには経口液剤とカプセル剤がある。
NICEは費用対効果の観点から、PEG-IFNとリバビリンの併用はベストサポーティブケア(BSC)よりも効果があり、かつ、コストが安いことが示唆されたとした。
なお、PEG-IFNα-aとPEG-IFNα-2bは、どちらが良いか推奨する上で、比較データなどの根拠は十分ではないとしている。
NICEヘルステクノロジー評価センター(HTEC)のCarole Longson教授は、「(NICEの)独立評価委員会は、PEG-IFNとリバビリンの併用がC型肝炎ウイルスのレベルを発見できなくなるほどに減少させ、C型肝炎を有効に治癒すると結論付けた。初期に治療が成功裏に行けば、後の人生でC型肝炎感染に伴う社会的マイナスも減少させることになる。これら薬剤のアクセスを拡大することで、このガイダンスは医師とC型肝炎とともにある患者に一層の治療オプションを提供する」とコメントした。
英国保健保護庁(HPA)によると、2011年には1歳以下の乳幼児26人、1歳以上14歳以下の小児・少年21人が新規にC型肝炎と診断されている。