26年度調剤報酬改定 都市部の開局に距離要件、門前薬局等立地依存減算を新設 立地依存から脱却
公開日時 2026/01/26 04:51
厚労省保険局医療課は1月23日の中医協総会に2026年度診療報酬改定の個別改定項目(短冊)を示した。調剤報酬では、 都市部で水平距離500メートル以内に薬局がある場所に新規開設する場合、調剤基本料1算定のハードルをあげる。さらに、都市部で病院の近隣や医療モール内に立地する場所への新規開設を行う場合に、「門前薬局等立地依存減算」を新設する。都市部では門前薬局や医療モールへの出店に歯止めがかかることが想定される。薬局の距離制限は、約50年前の1975年に違憲とされたが、調剤報酬により、出店を抑制したい考え。「患者のための薬局ビジョン」策定から10年。依然として、立地依存が指摘される構造からの脱却を強烈に促す。
◎政令指定都市で500メートル以内の開局 集中率85%超、600回/月で基本料2に
都市部で水平距離500メートル以内に薬局がある場所に新規開設する保険薬局のうち、処方箋集中率が85%超、処方箋受付回数が600回/月超は調剤基本料2を算定することとした。“都市部”については政令指定都市と東京23区をあげている。ただ、経過措置として、26年5月31日時点で、処方箋受付回数が1800枚以下/月で、その後も継続的に1800枚以下/月である場合は、「当面の間」処方箋集中率85%以下とみなすこととした。改定前に開局を決めた薬局については救済措置も盛り込んだ。
◎都市部の門前・医療モール開局「門前薬局等立地依存減算」 敷地内薬局の除外規定は削除
さらに、都市部の新規開設で、病院の近隣や医療モール内に立地する場合は、「門前薬局等立地依存減算」を新設する。都市部で水平距離500メートル以内に薬局がある場合などの要件に加え、①200床以上の医療機関の敷地の境界線からの水平距離が100メートル以内の区域内に所在し、この区域内・敷地内に他の薬局が2店舗以上、②薬局の周囲50メートルの区域内に保険薬局が2店舗以上-などの要件を満たした場合に減算措置を受ける。「医療モールに所在する複数の保険医療機関を1つの保険医療機関とみなす」ことも明確化し、抜け道をふさいだ。6月1日以降に開局する薬局が対象となる。
議論を呼んだ敷地内薬局をめぐっては、敷地内薬局の施設基準をめぐり、「当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在する場合には特別調剤基本料Aを算定しない」との除外規定(但し書き)は削除する。一方で、へき地などで地方自治体の所有する土地に所在する診療所の敷地内に所在する保険薬局で、周囲に他の保険薬局がない場合は、特別調剤基本料Aを算定せず、調剤基本料1を算定できることとした。周囲に保険薬局がないとの規定は、水平距離4キロメートル以内に他の保険薬局がないこととした。
◎調剤基本料3ロ・ハ 同一グループの店舗数が300以上を削除
調剤基本料をめぐっては、物価高騰を踏まえ、調剤基本料1~3を引上げるが、調剤基本料1については対象範囲を厳格化。処方箋受付回数が1800~2000回/月の場合、集中率が95%超で調剤基本料2とされていたが、85%に引下げる。また、調剤基本料3-イについては、処方箋回数が3万5000~4万/月の集中率を95%超から85%超に引下げる。一方で、保険薬局の面分業を推進する観点から調剤基本料1(45点)、調剤基本料3・ハ(35点)の点数はさらに点数を引き上げる。
調剤基本料3のロ・ハの施設基準は、同一グループの処方箋受付回数40万回超/月はそのままに、同一グループの店舗数が300以上であることを削除することも盛り込んだ。
◎かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料を廃止 服薬管理指導料で評価へ
かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料を廃止。服薬管理指導料で、かかりつけ薬剤師が継続的に服薬指導した場合の評価を新たに設ける。かかりつけ薬剤師の本来の趣旨に立ち返り、かかりつけ薬剤師の普及及び患者によるかかりつけ薬剤師の選択を促進することが目的としている。
服薬管理指導料には施設基準を新設。薬剤師の勤務経験が3年以上であることとしたほか、在籍期間は現行の1年から6か月に短縮した。また、薬局として、勤務薬剤師の在籍期間が平均1年以上であることや、管理薬剤師が「継続して3年以上在籍」していることを求める。さらにパーテーションで区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮することを要件とした。