英NICEガイダンス案 MM治療薬Blenrepを推奨
公開日時 2025/06/20 04:49
英国立医療技術評価機構(NICE)は6月13日、GSKの多発性骨髄腫(MM)治療薬Blenrep(ベランタマブ マホドチン)について、成人における1ライン以上の治療歴のある再発もしくは難治性多発性骨髄腫(MM)の適応で国民保健サービス(NHS)における使用を推奨するガイダンス案を発表した。同剤の使用は、ボルテゾミブおよびデキサメタゾンとの併用となる。英国では、NHSにおいて同剤が給付されると約1500人が同剤の恩恵を蒙ると見られる。
同剤は、第3相試験であるDREAMM-7試験で、1年後の無増悪生存期間が標準療法群では51%だったのと比較、同剤併用療法群では71%となった。このことは、新規併用療法群では、100人のうち20人が1年後も無増悪生存期間中であることを示す。また、3年生存率でも標準治療群60%であったのと比較、新規併用療法群では74%を示した。Blenrepは、ヒト化BCMAモノクローナル抗体に薬物障害性薬剤のアウリスタチンを結合させた抗体薬物複合体(ADC)である。
NICEのHelen Knight医薬品評価部長は、「私は、英国の人々がこの適応でベランタマブ マホドチンに世界で初めてアクセスできることになるのを喜んでいる」と述べたうえで、「この推奨は、納税者の価値を確保しつつ患者が最良のケアにアクセスするよう我々が関与していることを示すものである」とコメントした。
NICEは、同ガイダンス案について、2025年7月3日まで意見募集を行う。意見収集後最終ガイダンスの作成を行う予定。最終ガイダンスが発行後、直ちに抗がん剤基金(Cancer Drug Fund)を活用した薬剤給付が行われる。
英国医薬品医療品規制庁(MHRA)は、2025年4月に同剤の薬事承認を行っており、5月29日には、GSKの日本法人グラクソ・スミスクライン社が薬事承認取得したことを発表、同剤について英国が世界初、日本が2番目の承認国となった。