【World Topics】児童の近視対策
公開日時 2015/06/01 03:50
米国の調査(2004年)では14歳か54歳までの米国居住者の41.6%が近視で、その割合は過去30年間に約60%程度増加するにとどまっている。だが、アジア諸国では一般に、近視である者の割合が米国に比して圧倒的に高い。中国政府による最近の調査では北京のティーンエイジャーの80%以上が近視であると報告されており、シンガポール、台湾、韓国での調査でも、同様の結果を得ている。日本の例外ではない。(ジャーナリスト・西村由美子)
中国政府は事態を憂慮し、 WHOなどの支援・協力を得て、学校での実験的な近視対策を開始した。
学校で子どもの検眼を徹底(クラスに視力検査表をはり出す)、子どもの近視に気づかなかったり、気づいても対策を講じる必要を理解していない両親に対する啓蒙活動などのほか、学校の施設・設備を積極的に改善する実験的な試みを始めた。
試みのひとつは「明るい教室」。席順に関係なく、すべての子どもが十分な明るさで勉強できるよう、窓を大きくとり、照明を明るくした。
また、前屈みになって顔を近づけて読み書きしないよう、子どもの姿勢を矯正し、適正距離をとらせる補正器具を導入した。
さらに、近視予防のエクササイズを教室に取り入れている。