ボストンコンサルティンググループパートナー&マネージング・ディレクター北沢真紀夫これまで約１年にわたり、バリューベース・ヘルスケア（VBHC）時代の病院経営について検討してきた。前半は「バリューベース」、つまり「患者にとっての投資対効果」が医療機関経営の重要な意思決定基準になってきている背景や国内外での事例について見てきた。後半はVBHCに基づく病院改革の具体的な内容について述べてきた。また、前回は質の高い医療を継続的に提供するための国・地域レベルでの方策を検討した。今回は本連載の最終回として、これらの変化が製薬企業や医療機器メーカーに与えるインパクトについて検討していきたい。すでに読者の多くが昨今の医療機関の意思決定の変化を感じ、さまざまな対策を打たれていることと思う。具体的には、...