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【World Topics】安静よりリハビリ:脳震盪治療に新指針

公開日時 2016/12/12 03:50

米国では毎年約190万人の子どもがスポーツに起因する脳震盪(のうしんとう)を経験すると言われている。従来、脳震盪には徹底的な安静が何よりも重要と信じられ、患者は照明を落とした部屋で、刺激を避け、 症状が消えるのを待つのがよいと言われてきた。だが、長い間最良と信じられてきたこの治療法が見直され始めている。

最近の研究により、脳震盪治療には、直後の安静期間が過ぎたら、むしろ早期に積極的なリハビリを行う方が長い間安静を続けるよりも回復が早いことがあきらかになってきた。

11月に小児科学会で報告されたオタワ大学の研究によれば、5~18歳までの子どもの脳震盪患者3000人を追跡調査した結果、1週間以内に運動や日常活動に復帰した子ども群では、長く安静を続けた子ども群よりも、継続的な症状の訴えが50%以上少なかった。11~22際までの若い患者を対象にした別の比較研究でも、早期リハビリを開始しなかった群でむしろ症状の悪化が見られたと報告されている。「考え方の基本は手術後に早期リハビリを奨励するのと同じ」というのが研究者の間の共通認識になりつつある。

ちなみにこれらの研究は脳神経学会で報告された動物実験の結果とも一致する。脳震盪直後から通常活動に復帰したマウスの方が、強制的に安静を課したマウスよりも回復が早いと報告されているのだ。

米国小児科学会の治療指針はまだ変更されていないが、各方面から提出される専門家の白書には最新の知見に基づき、脳震盪後の早期リハビリ開始の重要性を指摘するものが急増。診療指針の見直しも近いと 言うのが専門家の一致した見解だ。すでに診療現場でも「直後の1−2日は安静が必要だが、あとはむしろ早くリハビリを開始すべき」との対応に変わってきている。だが、吐き気やめまいを伴うような激しい頭痛がある場合は安静の継続が必要だ。(医療ジャーナリスト 西村由美子)

 

 

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