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財政審建議 診療報酬「2%半ば以上のマイナス改定」を明記 麻生財務相「手は抜かない」

公開日時 2017/11/30 03:51

財務省の財政制度等審議会(会長・榊原定征東レ相談役)は11月29日、焦点の2018年度診療報酬改定について、「2%半ば以上のマイナス改定」を明記した予算編成に関する建議を麻生財務相に手渡した。榊原会長は建議を手渡す際に、「診療報酬本体マイナス改定は18年度予算編成の要だ」と念を押した。これに対し麻生財務相は、「その点は十分理解している。手は抜かない」と応じた。「改定率」をめぐる予算編成作業は、政府・与党間の折衝を経て12月中下旬に決着する。


財政審建議によると、次期診療報酬改定については、本体を含むマイナス改定の方向を明示した。国民医療費は過去10年平均で年率2.5%のペースで増加しており、うち高齢化以外の要因では年率1.3%の成長をキープしている。このため2年に1回の診療報酬改定において医療費の伸びを高齢化等の範囲内とし、保険料率の上昇にもつながらないようにするためには、少なくとも「2%半ばのマイナス改定」が必要になると建議は結論づけている。


◎地域医療構想の実現は「総合確保基金の支援を通じ病院の機能転換を図るべき」


その上で、診療報酬にのみに頼らない施策の実現にも触れた。建議では、現行の診療報酬は「提供する医療機能より、看護師などの看護配置による評価の側面が強い」と指摘。47都道府県が今年3月末までに取りまとめた「地域医療構想」を具現化させるためには、全国一律の診療報酬単価による調整では、きめ細かい対応ができず、地域医療構想は実現しないと警鐘を鳴らした。その上で、「地域医療介護総合確保基金による支援を通じ、病床機能の転換やダウンサイジング等により対応していくべき」との見解を明示した。


なお、18年度からは、47都道府県ごとに、地域包括ケアシステムの構想区域(原則2次医療圏)内で、急性期、回復期、慢性期など各病床の再編が予定されている。財政審のスタンスは、診療報酬点数で病床転換のインセンティブを付与するのでなく、地域の医療需要や人口の増減に照らし、医療提供体制を整備するように求めたものだ。


建議では、日本医師会と意見の相違があった医療経済実態調査の結果にも触れながら、「単に医療機関の平均的な収支差の状況を見て単価調整の必要性を判断するのでなく、その背景や要因を踏まえ、診療報酬による対応の必要性については厳しく精査すべき」とした。


◎新たに新薬創出加算を存続する場合 「対象を絞り、現加算品は速やかに薬価下げを」


薬価制度についても言及している。新薬創出加算のゼロベースでの抜本見直しについては、同加算の財政影響は単純計算で2530億円であるとし、「これに加えて改定後の薬剤使用量の変化や類似薬効比較方針による他の医薬品の薬価引き上げを通じた影響もある」と批判・新薬創出等加算制度は廃止すべきとした。また、仮に何らかの形で存続する場合には、「対象範囲の絞り込みを行うほか、これまでになされた加算についても速やかに薬価を引き下げ、解消していく必要がある」とした。 

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