Health2.0ピッチコンテスト開催 最優秀賞は在宅医療の効率化目指す「ゼスト社」
公開日時 2019/12/11 04:51
国内最大規模のヘルステックイベントであるHIMSS & Health 2.0 Japan 2019が12月9日から2日間、東京都内で開催された。最終日の10日はピッチコンテストが公開で行われ、在宅医療に関わる医療者のスケジュール最適化クラウドサービスを提供するゼスト(所在地:東京都中央区)が最優秀賞に選ばれた。同社の伊藤由起子代表取締役社長は、「華々しいものではないビジネスだが、選んでいただけてうれしい。ユニコーンと呼ばれるような企業だけでなく、私たちのような(世の中に価値を生み出しながら、持続可能で地域社会や顧客、社会と共存共栄しながら発展していくことを目指す)ゼブラカンパニーも育ててほしい」と授賞の喜びを語った。
3回目を迎える今回のピッチコンテストには、50社余りのITベンチャーやスタートアップ企業がエントリーした。このうち10日は、予選を勝ち抜いた6社による決勝戦が行われた。1社ごとに5分間のプレゼンと、審査員との10分間の質疑が公開で行われる。プレゼン時間を超過すると、その段階で打ち切られるため、大勢の聴衆もフロアから固唾をのんで見守った。審査は、医師や、製薬企業の役員、コンサルティング企業の代表ら8人が務め、革新性やインパクト、有効性のほか、市場の発展性や実現可能性などを基準に、最優秀賞1社を選んだ。最優秀賞の特典として、賞金100万円と2020年開催の米国Health2.0カンファレンスの参加チケットが授与された。
◎「残業がなくなった看護師が飲みに行き、その口コミで広がっている」伊藤社長
最優秀賞を獲得したゼスト社は、訪問看護ステーションの医師や看護師の移動時間の長さに着目したシステムを提供している。複雑なスケジュール作成をサポートするシステムによって、誰がどこに行くと効率がいいのか自動的に最適化できると強調した。プレゼンテーションに臨んだ伊藤社長は、「残業がなくなった看護師が飲みに行き、その口コミで広がっている」と笑いを交えて紹介。壇上から、「人手不足問題は解決できる」と力強く訴えかけた。なお同社はスポンサー賞となるAflac賞も受賞した。
このほか決勝戦には、疾病リスク予測測定サービスや、カルテ要約ソフトウェア、医療相談アプリなどを提供している5社が残っていた。