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慈恵医科大・西村主任教授 FreeStyleリブレで「血糖モニタリングの環境向上」と期待

公開日時 2020/04/03 04:50
東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の西村理明主任教授は3月31日、アボットジャパン主催のメディアセミナーで、糖尿病患者向けグルコースモニタリングシステム・FreeStyleリブレについて、「血糖モニタリングの環境がさらに向上する」と意義を強調した。システムは、一日中血糖変動を把握できるのが特徴。2020年度診療報酬改定で、血糖自己測定器加算の技術料に「間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの」が追加され、血糖自己測定の回数に縛られることなく、同システムを使用することが可能となっている。

同システムは、上腕背側にセンサーを装着することで、細胞間質液中の糖濃度を14日間連続で自動測定できるモニタリング装置。同システムでは、昼夜を通して血糖変動を把握できるという特徴があるという。血糖測定の方法として一般的なSMBGは、測定したタイミングの血糖値が把握できる。

1型糖尿病患者239例(5年以上の罹病期間があり、HbA1c 7.5%以下の患者)を対象とした臨床試験では、ベースラインから194~208日までの 1日あたりの低血糖(<70mg/dL)発現時間の変化量を検討。その結果、SMBGを使用した群では-0.17時間だったのに対し、同システムを使用した群は-1.35時間となった。西村主任教授は、「同システムが血糖コントロールの質を改善しうることが示された」としている。

2型糖尿病患者101例を対象とした試験では、ベースラインからのHbA1cの変化量を検討したところ、SMBG群では0.32%だったのに対し、同システム使用群では0.85%。また強化インスリン療法中の2型糖尿病患者363例(試験開始時の平均HbA1c8.9%)を対象にした試験でも、同システムを3~6か月使用した患者の変化量は0.9%となった。

これらの試験結果から西村主任教授は、同システムについて、「血糖の測定だけでなく、糖尿病の管理に貢献する機器だ。糖尿病の状態の改善にも貢献する可能性がある」と意義を強調した。そのうえで保険適用により、血糖モニタリングの環境がさらに向上するとして、「医療従事者にとっては、患者の糖尿病管理状況を用意に把握できるため、より細やかな指導を効率的に行うことができるようになり、患者にとっても、自身の病態の理解が深まる」と説明した。

同システムは、国内では2016年5月に製造販売承認を取得し、17年1月に発売、同年9月から保険適用が開始されていた。2020年度診療報酬改定に伴い、従来の「インスリン・ヒトソメトマジン製剤、GLP-1RAの自己注射実施患者」だけでなく、「強化インスリン療法施行中の方または強化インスリン療法施行後に混合型インスリン製剤を1日2回以上使用している方」にも適用が拡大された。
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