慶応義塾大学病院 新型コロナ以外の無症状患者の6%がPCR検査陽性 院外・市中感染の可能性も
公開日時 2020/04/24 04:52
慶応義塾大学病院(東京都新宿区)は4月23日までに、新型コロナウイルス感染症以外の治療目的で来院した無症状の患者67人にPCR検査を行ったところ、4人(5.97%)が陽性者だったと公表した。4月13日から4月19日に行った術前および入院前PCR検査で明らかになったもの。同院は、「これらは院外・市中で感染したものと考えられ、地域での感染の状況を反映している可能性がある」とし、感染防止にむけて更なる対策を講じていく必要があると指摘している。
慶応大学病院は、複数診療科によるCOVID-19救命チームを結成し、院内をゾーニングするなど新型コロナウイルスの院内感染に対する防御策を講じている。ただ、新型コロナウイルス感染症以外の疾患で入院や手術を受けために来院した患者の6%から新型コロナウイルスに陽性の反応が出たことから、院外・市中感染の可能性が否定できないとしている。この結果は、慶応義塾大学病院に限らず、すべての医療従事者、介護従事者、病院、診療所、保険薬局、介護施設などは、これまで以上に感染防止に向けた対策が求められることになる。
◎全麻手術患者への入院前PCR検査、胸部CT検査を実施
慶応義塾大学病院の診療体制は、全身麻酔手術を予定する患者への入院前PCR検査および胸部CT検査を実施している。また、入院治療を必要とするすべての患者(分娩を含む)に入院前のPCR検査を実施している。
◎外来診療は電話診療を活用 感染リスクの高い診療科は縮小ないし停止
一方、外来は、がん化学療法や免疫難病に対する薬物療法について慎重に外来診療を継続。その他の外来診療は、電話診療を活用し、病状の確認、検査結果のお知らせ、次の検査予約、必要な場合の処方箋送付などを行っている。感染リスクの高い内視鏡検査、歯科・口腔外科、眼科、耳鼻科、リハビリテーションの診療については縮小ないし停止している。
同院は、今後の感染者数の状況を見ながら、がん、免疫難病、その他当院での高度な医療が必要な疾患に限定し、5月7日をめどに新規初診患者の受付を開始する方針。