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カケハシ Musubiの服薬指導支援でPG製剤の点眼アドヒアランス向上

公開日時 2020/09/29 04:50
調剤薬局向けクラウド電子薬歴を展開するカケハシは9月25日、薬局体験アシスタントMusubiの服薬指導支援により緑内障治療薬の一種であるプロスタグランジン(PG)製剤の点眼アドヒアランスが向上したとの実証試験の結果を発表した。Musubiに搭載された健康アドバイス機能を用い、当該コンテンツを使用した患者(使用群)と使用しなかった患者(不使用群)について、その後の治療継続率などを調べたもの。その結果、使用群の治療継続率は87.0%となり、不使用群に比べて8.7ポイント高かった。再来率やギャップ率も使用群のアドヒアランスが有意に高かった。

同社のMusubiは、薬剤師が患者と一緒にタッチ機能付き端末画面を見ながら服薬指導を行い、その結果を同時に薬歴記入する機能を有している。加えて、患者の健康状態や生活習慣に応じた服薬指導や健康アドバイスを提示する機能を2017年8月にリリースしている。

今回の実証試験では、薬局でPG製剤が処方された緑内障の患者について、Musubiの健康アドバイスコンテンツの使用ごとに、治療継続率、ギャップ率、再来率などをみた。データ取得期間は2019年8月27日~2019年12月31日。その結果、健康アドバイスのコンテンツを薬剤師が活用した「使用群」(n=3410)の治療継続率は87.0%、「不使用群」(n=1万3275)の治療継続率は78.3 %で、8.7ポイントの差が見られた(P<0.05)。年齢・併用状況・医療機関種別(病院/診療所) の要素を調整しても5.8ポイントの差を確認した。さらに、再来率およびギャップ率を分析したところ、いずれも使用群のアドヒアランスが有意に高かった。

◎中尾社長「薬剤師による対人業務の有意性を提示できた」

同社の中尾豊社長は、「Musubiによる視覚情報を付加した服薬指導が患者のアドヒアランス向上と来局の継続に寄与する可能性を示すものとなった」と強調。「この結果は、薬剤師による服薬指導が大きな医療的価値を有していることの証でもある」としながら、薬剤師による「対人業務」の有意性を提示できたとの見解を示した。

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