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国がん中央病院・岩田氏 インフルワクチン接種を推奨 新型コロナ同時流行での混乱回避を

公開日時 2020/10/16 04:50
KMバイオロジクスとMeiji Seikaファルマは10月15日、東京都内で、「新型コロナウイルス感染症流行下におけるワクチン接種の現状と課題」と題するプレスセミナーを開いた。登壇した国立がん研究センター中央病院感染症部長、感染制御室長の岩田敏氏は、「ワクチンで防ぐことのできる疾患は、ワクチンで防ぐべき」と強調。臨床的に新型コロナとの鑑別が難しい季節性インフルエンザと新型コロナが同時流行した場合の医療提供体制の混乱を避けるためにも、インフルエンザワクチンの接種を推奨した。

すがやこどもクリニック院長の菅谷明則氏は、親が子の新型コロナの感染リスクを最小化したいとの思いから、小児の予防接種のための受診が減っていると指摘した。そして、新型コロナ以外の感染症リスクを抑えるためにも、「小児のCOVID-19のリスクの正確な情報を保護者と共有し、過度の不安を取り除くことが必要」との考えを示した。

■インフルエンザの発生件数少ないが…

日本でのインフルエンザは、19-20年シーズンは20年2月頃から発生件数が減った。インフルエンザの流行は例年9月から始まるが、20-21年シーズンはまだ流行がみえていない。南半球のオーストラリアでは今年、インフルエンザの発生が例年より大幅に減った。マスクや手洗い、可能な限りの外出自粛や移動制限といった感染対策が効果をあげているとされる。

岩田氏は、国内の19-20年シーズンや、オーストラリアでのインフルエンザの発生が少ない事実はあるとした上で、新型コロナとインフルエンザが同時流行すると、▽症状の区別がしづらい▽非常に診療がしづらくなる▽合併した場合に重症化するかもしれない――ことから、インフルエンザワクチンの接種を推奨した。

新型コロナとインフルエンザが合併した場合の重症化リスクについては、「現時点では、実際のところはよくわからない」と話した。海外の報告を引き合いに、インフルエンザとの混合感染は新型コロナ入院患者の4.3~49.5%に認められたほか、「インフルエンザ合併例で鼻閉や咽頭痛が多く認められる傾向だが、非合併患者に比して重症度や検査所見に差異はみられなかった」という。また、B型インフルエンザとの合併症例で重症化したとの報告もあったと紹介した。

■初回小児肺炎球菌ワクチンの登録率 5~7月接種は76.8%に

菅谷氏は、自身が理事長を務めるNPO法人「VPDを知って、子どもを守ろうの会」で実施した新型コロナと予防接種に関する調査結果を説明した。VPDは「Vaccine Preventable Diseases」の略で、「ワクチンで防げる病気」のこと。

同会が提供している無料のスマホアプリ「予防接種スケジューラー」のデータを用いて、定期接種ワクチンのひとつの小児用肺炎球菌ワクチンの初回接種の登録状況を分析した。登録率はこれまで93%前後だったが、今年1~3月に接種するための登録率は81.9%に急落。2~4月に接種するための登録率は80.0%、3~5月は80.2%、4~6月は82.0%、5~7月は76.8%――と推移した。登録者総数は9万1632件。

また、第1期MRワクチンの登録率も見てみたところ、これまでは概ね70%台の登録率だったが、19年12月~20年3月に接種するための登録率は61.3%に下がり、20年1~4月の接種のための登録率は54.5%、2~5月は50.6%、3~6月は47.1%――と右肩下がりに推移した。登録者総数は6万7808件。

菅谷氏は、「決して接種率ではなく、(スケジュール管理のための)登録率であり、接種率の目安と思ってもらいたい」と述べた。そして、実際に3月頃から一般小児外来の受診抑制が発生し始めたこともあり、「これらの登録率の減少は、ワクチン接種を控えたひとつの証拠と考えられる」との見方を示した。

■予防接種延期に保護者「感染が怖かった」

このほか、同会が実施した保護者を対象としたアンケート調査で、予防接種を予定したにもかかわらず接種時期を延期した人が全体の3分の1いたことも判明した。延期理由は上位から「感染が怖かった」(68%)、「外出自粛していた(緊急事態宣言後)」(49%)、「接種が遅れても問題ないと思った」(43%)――だった。調査期間は5月20日~6月9日。

菅谷氏は、感染症予防のためにも、「小児、青年、成人もCOVID-19の流行を理由に、ワクチン接種を延期しないことが重要」と指摘し、接種漏れのワクチンはキャッチアップ接種するよう求めた。

また、「COVID-19のパンデミックの中での情報の氾濫は、インフォデミックとも呼ばれている。行政、メディア、医療関係者は科学的に正しく、正確な情報を国民、保護者と共有していくことに留意することが重要」とも強調した。VPDの迅速なコントロールに向けて、諸外国のように、ワクチンの接種状況を迅速に評価できるシステムを構築すべきとも訴えた。

【訂正】見出しの病院名に誤りがありました。訂正します。(10月16日13時50分)
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