東京多摩地区のコロナ陽性自宅療養者へのオンライン診療 MICINの「curon typeC」を採用、運用開始
公開日時 2021/09/17 04:51
MICIN(マイシン)は9月16日、東京都多摩地域のコロナ陽性自宅療養患者に対するオンライン診療に同社のが採用され、同日から運用を開始したと発表した。この取り組みは東京都医師会が主体となり、平日18時~21時の準夜帯に、多摩地域を所管とする5か所の保健所から診察が必要と判断された自宅療養者に対し、同地区の医師会の担当医師が順番にオンライン診療を行うというもの。東京都医師会としては、今回の多摩地域に加えて、先行実施している品川区医師会の実績などを踏まえ、23区を含む東京都全域にまで拡大する方針だ。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対応するため、東京都医師会は自宅療養患者に対するオンライン診療の活用を決めた。すでに東京都では、品川区医師会が今年4月から同社の「curon typeC」を活用した自宅療養者向けのオンライン診療を行っている。品川区の事例では、地元薬剤師会と医師会の協力で行われているのも特徴だ。
◎医師会の担当医師が順番にオンライン診療 1つの医療機関への患者集中を回避
今回は、東京都多摩地域での自宅療養者を対象に、品川区医師会の実施経験を踏まえ、導入するもの。当該地域の保健所から診療が必要と判断された自宅療養者の情報が医師会の担当医師に入り、担当医師は「curon typeC」を使って、自宅療養者へのオンライン・電話診療が行われることになる。これにより保健所にとっては、医療機関を都度探す必要が無くなるため、保健所の業務軽減が期待できる。一方で医師や医療機関側も、非接触で患者を診察できる。さらに医師会の当番制とすることで、一つの医療機関にコロナ患者が集中することなく、複数の患者を複数の医療機関で診察することが可能となる。
◎尾﨑治夫都医師会長「保健所、地域医師会、東京都薬剤師会の協力を得てスタート」
東京都医師会の尾﨑治夫会長は、「新規陽性者の急増に伴い、医療による支援が必要となる自宅療養者の増加への対応が喫緊の課題となっている」と指摘。「医療支援体制の拡充と地域格差を解消することを目的に、多数の患者を多数の医師がオンラインで診療できるMICINのオンライン診療システムを活用することにした」と説明した。また運用にあたっては、「保健所や地域医師会との協力、東京都薬剤師会の協力を得てスタートする」と強調した。