加重平均を用いる現行制度そのものへの疑念深まる
薬価制度改革の論点を探る
公開日時 2022/05/01 00:00
政府が6月にも決定する骨太方針2022に向けた前哨戦スタート現行の加重平均を用いた薬価制度による市場の歪みを指摘する声が、業界内外からあがっている。院外処方が増加し、大手調剤チェーン薬局や医療機関、ボランタリーチェーンの台頭など、流通をめぐる環境や取引状況が大きく変化している。こうしたなかで、かつて縮小傾向だった薬価差は、むしろ拡大する傾向にある。21年度から導入された毎年薬価改定(中間年改定)や調整幅圧縮の議論はさらにこの歪みを大きくする可能性があり、医薬品の安定供給に支障を来す懸念さえある。日本の薬価制度は、市場実勢価格主義を貫いてきた。しかし、納入価のバラツキの大きさが指摘されるなかで、加重平均を用いる現行の薬価制度そのものに疑念の声もある。流通実態を踏まえて、薬価制度改革の議論をする...