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UCB・山口部長 ビンゼレックスで専門MRチームを組織 医師から患者への安全性情報の伝達体制を整備

公開日時 2022/05/31 04:48
ユーシービージャパン免疫炎症事業部の山口一郎部長は5月27日、4月に発売した乾癬治療薬・ビンゼレックス(一般名:ビメキズマブ・遺伝子組換え)について、免疫・炎症領域を担当する専門MRのなかでも「セラピューティクス・スペシャリスト」という免疫皮膚科領域に特化したチームを作り、重点施設への情報提供活動を行っていると明らかにした。専門MR数は非開示だが、全国に約700ある乾癬生物学的製剤使用承認施設を、「十分カバーできる人数で、確実な情報提供活動を行っていく」という。同剤では、主な副作用として口腔カンジダや上気道感染が報告されていることから、資材などを活用し、「(安全性に関する注意点を)医師から患者に伝達できる体制を着実に構築する」と述べた。

ビンゼレックスは、ヒト化抗ヒトIL-17A/IL-17Fモノクローナル抗体で、IL-17A、IL-17F及びIL-17A/Fを選択的に阻害する新規作用機序の乾癬治療薬。「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」を効能・効果としている。

◎東京医科大皮膚科学分野・大久保教授 患者像は「早期に皮疹を消失させたい患者」

同日のセミナーでは、東京医科大学皮膚科学分野の大久保ゆかり教授が、「皮膚症状がクリアになる確率が高い、期待できる薬だということが臨床試験から示された」と紹介した。一方で既存のIL-17阻害薬と同様に、真菌症、口腔カンジダに注意する必要があると指摘。「白苔などの症状が現れた場合には検査して、速やかに抗真菌薬投与をやっていく必要があるほか、事前に薬の特徴を患者に説明して、納得して使っていくことが重要だ」と述べた。このため、対象となりうる患者像については、「早期に皮疹を消失させたい患者や、若年者など治療による免疫抑制が進んでいないナイーブの患者」を挙げた。

山口部長は、「おおよそ1万人の患者に使っていただけるのではないか」と予想。そのうえで「同剤は、1つの抗体で2つのサイトカインを同時に抑えることができるユニークでソリューションになりうる薬剤だと思うが、すべての患者にとっていいものだとは思わない。売上だけを求めるということは決してやってはいけない」と指摘した。

◎第3相試験結果 16週目のPASI(乾癬面積・重症度指標)スコアが90%以上改善


同剤の国際共同第3/3b相比較試験では、中等度~重度の成人尋常性乾癬患者における同剤の有効性と安全性を、プラセボと既存の生物学的製剤であるウステキヌマブ、アダリムマブ、セクキヌマブを対照に比較した。同剤はいずれの第3相試験でも、16週目のPASI(乾癬面積・重症度指標)のスコアが、ベースラインから90%以上改善(PASI 90)した被験者の割合と治験責任医師による全般的評価(IGA)スコアが、2段階以上の改善を伴って、消失または、ほぼ消失(IGA0/1)となった被験者の割合において、プラセボや既存の生物学的製剤より高い皮疹消失を示していた。

乾癬は、難治性の慢性皮膚疾患。日本では、約43万人が乾癬に罹患していると推定されている。大久保教授によると、罹患数は徐々に増えているほか、症状が目に見えることから、罹患により、がんや高血圧、うつ病などと同等に、身体的・精神的機能が低下することが示されており、全身疾患として早期介入する重要性が示されている。
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