血液がんを診ている血液・腫瘍内科医に「企業認知度」を聞いたところ、第１位は中外製薬、第２位は僅差でブリストル マイヤーズ スクイブ（BMS）、第３位はヤンセンファーマとなった。「企業の信頼・評価」については、上位３社のランキングに変動はなかった。企業評価を向上させる「打ち手」では、「アンメットメディカルニーズの大きな領域での医薬品の開発・上市」と、「個別化医療の促進（バイオマーカーなどを用いた投薬前の効果予測や予後モニタリングなど）」を求めていることが分かった。

調査は、エムスリーの会員制サイト「m3.com」に登録する医師パネルを使って、血液がんを診ている血液・腫瘍内科医132人から回答を得た。企業認知度をみると、「血液・腫瘍内科に注力していることを知っている」と回答した医師が、中外製薬とBMSともに75.8％で同率。「血液・腫瘍内科に注力していないが、注力領域を知っている」との回答が、中外製薬の12.9％に対し、BMSは11.4％となり、その差1.5ポイントで中外製薬が第１位、BMSが第２位となった。第３位にはヤンセンファーマ、第４位にはノバルティスファーマ、第５位にはアッヴィと続く。

◎企業の信頼・評価　3位にヤンセンとアッヴィが並ぶ

「企業の信頼・評価」は「とても信頼・評価している」、「信頼・評価している」のTOP２ランキングをみた。第１位は中外製薬で57.6％、第２位はBMSで56.1％、第３位はヤンセンファーマとアッヴィがともに55.3％で同率。第４位は協和キリンで53.8％、第５位はノバルティスファーマで53.0％の順となった。

ただ、ノバルティスファーマは「とても信頼・評価している」が28.0％を獲得し、第１位の中外製薬の33.3％に及ばなかったものの、第２位のBMSの22.0％を上回り、この項目だけみると第２位にランクされることも分かった。

◎中外製薬は８項目中７項目で首位獲得

「企業の信頼・評価」の上位ランク企業を要因別（全８項目）に比較した。第１位の中外製薬は、①製造・生産体制が信頼できる、②企業として安定している（規模・歴史・収益力など）、③情報提供が適切である（質・量・タイミングなど）、④情報提供や先生方とのコミュニケーションなど、デジタル化を推進・実現している、⑤コンプライアンス遵守の意識が高い、⑥医療・社会への貢献を志向している（患者さんの重視、学会への支援など）、⑦医薬品が優れている・高品質である――の７項目でトップを獲得した。

一方、第２位のBMSは、研究開発力が高い（新薬開発力、新技術導入の実績など）でトップを獲得した。他の上位企業でみると、ノバルティスファーマは、「研究開発力が高い」でBMSについで第２位となり、中外製薬を上回った。同社はまた、「企業として安定している」と「情報提供が適切である（質・量・タイミングなど）」の項目で中外製薬の次点にランクされていた。

信頼度の要因分析を中外製薬と７～15位にランクされた企業の平均値と比較した。最も差が開いた項目は「情報提供が適切である」でその差は9.0ポイント。逆に、最も差が縮まっていた項目は「コンプライアンス遵守の意識が高い」で3.9ポイントだった。