沢井製薬の片頭痛向け非侵襲性デジタル医療機器「レリビオン」承認へ 薬食審・医療機器部会が了承
公開日時 2023/12/07 04:50
厚生労働省の薬食審医療機器・体外診断薬部会は12月6日、沢井製薬の片頭痛用の非侵襲性デジタル医療機器・レリビオン(一般的名称:頭部用経皮末梢神経電気刺激装置)を承認することを了承した。正式承認は24年1月中となる見通し。レリビオンは頭部に装着する非侵襲型のニューロモデュレーション機器。片頭痛の急性期治療において、本製品で後頭神経と三叉神経に同時に電気刺激を与えることにより、脳幹で神経伝達物質の放出を促進し、痛みなどの制御に関連する脳内ネットワークを調節して効果を生み出す。
ニューロモデュレーションは、デバイスを用いて、電気・磁気刺激や薬物の投与を行い、神経活動を調整する治療法のこと。レリビオンは正式承認されると、在宅で使用できる日本で唯一のニューモデュレーション機器となる。
レリビオンの使用目的又は効果は、「本品は、頭部へ経皮的に電気神経刺激を与えることによって、片頭痛(前兆期症状の有無を問わない)発作時の急性期治療において疼痛緩和の目的で使用される」。使用方法は、(1)事前に使用準備を行う(バッテリーの充電、Relivionデバイス(ヘッドセット)の調整、患者用モバイルアプリケーションの準備)。(2)治療を実施する際、Relivionデバイスの電源をONにし、電極パッドを水道水で浸潤させた上で、頭部に装着する。(3)Relivionデバイスの+ボタンを押すことにより、治療を開始する。(4)+ボタンを数回押し、最も快適なレベルまで強度を上げる。(5)治療は60分で自動的に終了する(60分未満でも終了可能)――。
レリビオンは6年間の使用成績評価を行う。調査対象症例数は300例で、うち慢性片頭痛100例、18歳未満30例をそれぞれ最低組み入れ数とする。また承認条件として、医師要件などが定められたほか、慢性片頭痛及び18歳未満の症例については製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施し、PMDAに報告するとともに、必要に応じ適切な措置を講じることとされた。