沢井製薬 劇物の水酸化ナトリウム約20gを紛失 使用後に記録せず空容器を廃棄が「濃厚」
公開日時 2025/05/21 04:49
沢井製薬は5月20日、本社研究開発本部内の試薬保管室の劇物保管棚で保管していた水酸化ナトリウム約20gを紛失したことが判明したと発表した。水酸化ナトリウムは毒物及び劇物取締法の劇物に指定されている。調査の結果から、使用後の記録を失念したまま空容器を廃棄したことが「濃厚との見解」だが、状況及び経緯を報告する必要があると判断し、今回の発表に至ったとしている。
水酸化ナトリウムは製剤評価に用いる試験液のpH調整用の試薬として、購入・保管していたもの。同社では、水酸化ナトリウムを含む試薬について、試薬管理システムの使用と併せて定期的に在庫の管理・棚卸調査を行っている。
沢井製薬によると、今年3月24日に、1カ月ごとの在庫確認の際に水酸化ナトリウム100g入瓶1瓶(約20g残)の所在が不明であることが判明した。最後の使用は今年3月14日だという。社内および関係者の調査などを実施したが、原因を解明するに至らず、法令の定めに従い4月9日に大阪府淀川警察署、10日に大阪市健康局へ届け出を行った。
◎試薬瓶の廃棄はルールに従い実施 「周辺の環境に与える影響はない」
その後、警察と協力しながら社内調査を続けたが、現時点でも発見に至っておらず、「現在のところ同事業所内の当該品を含む試薬管理の状態から記録を残さずに誤って廃棄したものと考えている」としている。また、記録を残さずに廃棄したとしても、試薬瓶の廃棄の際には社内の管理ルールに従って洗浄し、産業廃棄物として廃棄していることから、「周辺の環境に与える影響はない」としている。
◎沢井製薬「多大なるご心配をおかけすることになり、深くお詫び」
沢井製薬は、「この度の所在不明状態により、地域住民の方々をはじめ関係者の皆さまには多大なるご心配をおかけすることになり、深くお詫び申し上げます」とコメント。引き続き原因究明に尽力するとともに、再発防止に向けより一層の安全管理に努めるとしている。