沢井製薬と扶桑薬品 レミッチOD錠の特許侵害訴訟で上告
公開日時 2025/06/10 04:50
沢井製薬と扶桑薬品は6月9日までに、それぞれが製造販売する経口そう痒症改善薬・レミッチOD錠の後発品が先発品の用途特許を侵害しているとして賠償金等の支払いが命じられた控訴審判決を不服として、それぞれ最高裁に上告及び上告受理の申立てを行ったと発表した。沢井製薬は6月9日付で、扶桑薬品は6日付で上告した。
知的財産高等裁判所は5月27日、両社のレミッチOD錠の後発品が先発品の用途特許を侵害しているとして、沢井製薬に対して142億9093万9291円、扶桑薬品に対して74億7287万8838円の賠償金と遅延損害金の支払いを命じた
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◎沢井製薬「当該特許を侵害するものではないという技術的・法的な見解に確信」
沢井製薬は6月9日、「当社製品が当該特許を侵害するものではないという技術的・法的な見解に確信を持っており、(控訴審で)当社の主張が認められなかったことを遺憾に思っている」とコメント。そして、「判決内容を精査の上、司法の最終的な判断を仰ぐべく最高裁判所へ上告し、当社の正当性を明らかにしてまいる所存」だとした。沢井製薬の親会社のサワイグループホールディングスはこれまでに、控訴審判決を受けて、訴訟損失引当金繰入額167億5700万円を24年度のその他の費用に一括計上している。
◎扶桑薬品 控訴審で主張認められず「誠に遺憾であり承服できかねる」
扶桑薬品は6月6日、レミッチOD錠(先発品)を製造販売する東レが保有する特許権を侵害しないことなどを主張してきたとした上で、「控訴審において当社の主張が認められなかったことは誠に遺憾であり承服できかねる」とし、最高裁に上告したことを発表した。同社も控訴審判決を受けて、訴訟関連損失引当金繰入額87億4400万円を24年度の特別損失として計上している。