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今後求められる臨床試験プラットフォームとは?

臨床試験に関するシステムを提供し続け35年、オラクルライフサイエンスの取り組みと今後

公開日時 2024/02/01 00:00
提供:オラクルライフサイエンス

オラクルが臨床試験に関するシステムを提供し続け35年が経つ。世界初のEDCを開発したのはオラクルであり、現在では臨床試験の計画段階から承認申請・市販後の副作用報告にいたるまで様々なシステムを世界中の製薬メーカー・CROに提供している。世界の製薬メーカートップ30社中28社、CROはトップ10社全てで何らかのオラクルの臨床試験用システムを使用している。各製品の機能的な特長や強みは個々にあり簡単に触れるが、数多くのシステムベンダーの中でオラクルの大きな特徴を3つ紹介したい。オラクルの臨床試験プラットフォームについて紹介するとともに、海外の製薬メーカーで取り組まれている最近のトレンド、また日本ではまだデジタル化されていないことが多いが今後の承認までの期間短縮の鍵となるであろう「試験の立上げ」について紹介し、3/5に開催するWebinar「試験の立上げのベストプラクティス」についても触れたい。

1.オラクルの臨床試験分野への取り組み

オラクルが臨床試験向けに最初に製品を提供したのが今から35年前の1980年代後半、紙の症例報告書(Case Report Form)を入力するクリニカルデータマネジメントシステム(CDMS: Clinical Data Management System)で業界に参入し以降数々の臨床試験向けのシステムを世界中の製薬メーカー・CROに提供してきた。世界初のEDC(Electronic Data Capture)システムを開発したのもオラクルである。
この20年間で臨床試験の仕組みは大きく変わってきた。様々な臨床試験用システムを世界中の製薬メーカー・CROに提供してきたオラクルの歴史はまさに変化と対応の歴史でもある。近年、新たな治療法が登場する一方で患者含めたステークホルダーからの開発期間の短縮の要望は高まるばかりである。さらに加速するデジタル化とデータ量の増加にどのように対応していくのか、リアルワールドデータの活用、自動化、分散型臨床試験(DCT:Decentralized Clinical Trial)などの新技術にどのように対応していくべきなのか、最近の規制の動向もあわせてオラクルがどのように臨床試験分野に取り組んでいるか紹介する。

2.オラクルの臨床試験プラットフォーム

オラクルは臨床試験の計画段階から市販後の副作用報告にいたるまでのプロセスをサポートするための様々なシステムを含む臨床試験プラットフォームを提供している。オラクルの臨床試験プラットフォームの大きな特徴は自社でクラウド基盤を保有していることにある。臨床試験のシステムを提供しているシステムベンダーは数あれど、オラクルのように自前でクラウド基盤を保有していることはほとんどない。全てのシステムが自社のクラウド基盤上で稼働しているためインフラ部分も含めワンストップでサービスを提供することが可能でデータ連携もスムーズに行うことができる。また、オラクルの臨床試験プラットフォームの大きな特徴としてほとんどのシステムでAPIを公開し他のシステムともオープンに連携できるのも大きな強みとなっている。
オラクルは2022年に北米で大きなシェアを誇る電子カルテメーカーであるCernerを買収した。これまでは臨床試験の中でもデータを格納することに焦点を当ててきたオラクルであるが、電子カルテに記載されたデータを使ったFeasibility assessment(臨床試験の実現可能性調査)や電子カルテに入力されたデータのEDCやクリニカルデータウェアハウスへの転送や電子カルテデータを活用した安全性シグナル検出など、さまざまな相乗効果が期待されている。


3. オラクルの臨床試験プラットフォームの構成

上記で述べたようにオラクルは臨床試験の計画段階から市販後まで幅広く製薬メーカー・CROの業務をシステム面から支援している。オラクルの臨床試験プラットフォームには以下の10のシステムが含まれる。

試験計画段階(Portfolio Planning:ポートフォリオプランニング):
オラクルのPortfolio Planningは外部委託費用(CRO費用)の見積もりを行うためのパッケージ製品であり、いくつかの前提条件を入力するだけで業務内容(作業タスク、Role & Responsibility、標準的な品質レベル・数量)を含む質の高いRFP(見積依頼)を自動で生成することが可能である。数多くの業界のベンチマーク(費用・期間)や予測アルゴリズムを活用し、実際にCROに見積もりを依頼せずとも自分自身で一定の品質の見積もりを短期間で算出することが可能となる。

Learning Health Network:
オラクルのLearning Health Network(LHN)は様々な電子カルテシステムの全国ネットワークであり、LHNを利用して、画期的な治療法の発見、Feasibility assessmentを加速させることができる。ネットワークに加盟している医療機関は100以上、1億以上の匿名化されたレコードを保有し大規模な臨床試験やアウトカムリサーチを実施することが可能となっている。現在、北米が中心のサービスだが、2024年からは欧州・中東にサービスを展開することとなっている。

臨床試験の進捗管理(Clinical Trial Management):
オラクルの臨床試験管理システム(CTMS)は、臨床試験の進捗管理を合理化するために設計された包括的なシステムであり、臨床試験情報の管理、施設選定、被験者の登録状況、アクティビティのスケジューリングなど、臨床試験に関するオペレーションのあらゆる側面を計画段階から追跡し管理することが可能となっている。近年、グローバル試験の増加、ICH E6(R2)の施行に伴いセントラルモニタリングやリスクベースモニタリング(RBM)のニーズが高まり自社でCTMSを導入する動きが強まっている。

臨床試験の立ち上げ(Study Start Up):
スタディスタートアップ(SSU)システムとは、臨床試験を開始するために必要なステップを管理するために特化したシステムである。オラクルのSSUは、世界74カ国のワークフローテンプレートを標準でサポートし、どんな国でもすぐに臨床試験に始めることが可能となる。アルゴリズムを活用して最適な施設を特定し、効率的に候補施設をノミネートするとともに、候補施設への打診をWeb上で行いリアルタイムに進捗状況を把握することができる。施設/IRBとの契約についても、文書のやりとりをWeb上で行い効率的に作業を進めることができる。最近ではグローバル大手の製薬メーカー、CROを中心にSSUの導入が進んでいる。

無作為割付と治験薬の供給管理(Randomization & Trial Supply Management):
オラクルのRTSMは、被験者の無作為化と治験薬のサプライチェーンを管理するために設計された包括的なシステムで、被験者の無作為割付や治験薬の有効期限の管理、治験薬の再配送や在庫状況の可視化などの管理を効果的にすることが可能となる。RTSMの使用により、臨床試験の効率と透明性が向上させるとともに試験の品質とスピードを改善しグローバル試験では必須のシステムとなっている。最近では、RTSMは単に治験薬を供給するためのシステムとしてだけではなくリスクベースモニタリングにおける被験者の進捗管理のデータソースとしての重要性も高まっている。

データ収集(Data Collection):

EDCは症例報告書に記載される被験者データを施設から電子的に収集して管理するためのシステムである。EDCは、入力データのバリデーション、クリーニング、コーディングなど、包括的なデータ管理機能を含み、収集されたデータの品質と信頼性を保証することが可能となる。オラクルのEDCの大きな特長として、RTSMと完全に統合しているためEDCとRTSMの構築が一度で済み、さらにアジャイル開発の採用、ライブラリ機能によりこれまでより短期間で構築が完了することが可能となっている。

クリニカルデータウェアハウス(Clinical Data Warehouse):
これまで臨床試験のデータ収集はEDCシステムで行い、EDC以外から得られる外部データは別途ベンダーから入手してSASデータセット上で統合するパターンが多かったが、近年、ePRO/eCOA、eConsent、ウェアラブル端末やバイオマーカーなど以前よりデータソースが増えたこと、さらにウェアラブル端末などによるデータ量の増加に伴いクリニカルデータウェアハウスでデータを管理するニーズが高まっている。オラクルのクリニカルデータウェアハウスは、様々なデータソースと連携し、全ての臨床データを一元的に集約・管理すると同時にデータウェアハウス内で標準化された形式にマッピングすることにより複数の試験を同じ視点でレビューすることが可能となる。

電子カルテ(Electronic Health Record:(EHR)):
オラクルは2022年、電子カルテ大手のCernerを買収した。臨床試験実施段階における電子カルテデータの活用について、リアルワールドデータ分析、電子カルテに入力されたデータのEDCシステムやクリニカルデータウェアハウスへの転送、電子カルテデータを活用したリアルワールドデータからの安全性シグナル検出などにも力を入れていくこととしている。

副作用報告(Safety Reporting):
安全性データベースは、患者の安全と規制の遵守を保証するために製薬会社にとって必要不可欠なデータベースである。オラクルの安全性データベースは、有害事象や重篤な有害事象(SAE)データを収集し一元的に管理し、各国の規制当局に準拠して緊急報告を行うことを可能にする。オラクルの安全性データベースは世界中の製薬メーカー・CROで導入されており、PMDAが受領する副作用のうち80%近くがオラクルの安全性データベースから報告されている。

安全性シグナル検出(Safety Signal Detection):
安全性シグナル検出は、潜在的な薬剤に関する安全性の問題を早期に特定し、迅速な対応を可能にすることで患者の安全を確保する。特に近年EUで施行されたGVPモジュールXIの影響もあり注目を集めている。オラクルのシグナル検出システムは、主に副作用データベースからの安全性シグナルの検出と分析に焦点を当てたシステムであり、FDAのFAERS、WHOのVigiBase、PMDAのJADER、自社の安全性データベースなど様々なデータソースを高度なアルゴリズムを活用して分析し薬剤に関する安全性シグナルを検出することが可能である。電子カルテ(EHR)の項でも述べたが、今後は電子カルテデータをデータソースとしてリアルワールドデータからの安全性シグナル検出などにも力を入れていく。

4.最近のグローバル大手製薬の取り組み

上記の通り、オラクルは臨床試験に関して計画段階から市販後に至るまでさまざまなシステムを提供しているが、最近では臨床試験全体のプロセスを見直し、全体最適を目指すためにシステム同士をデータ連携する事例が増えてきている。一般的にシステムをデータ連携させることにより得られる主なメリットとしては以下がある。

- 複数システムに重複したデータを入力する労力が削減される
- 重複したデータを入力する際に生じるヒューマンエラーが削減される
- データ品質の向上(データの一貫性・整合性向上)

また最近では、リスクベースモニタリングの観点でデータ連携を実装する事例も増えている。施設で症例が登録されデータが発生しているにもかかわらず施設スタッフが全くEDCにデータを入力しない場合、スポンサー側からデータの入力が行われていないことを察知することは非常に困難となる。RTSMとEDCを連携させることにより、RTSMに症例が登録されると同時にEDC上に症例を立ち上げることにより、単に薬剤番号や背景情報などの重複したデータの入力作業を軽減するだけでなく「症例として登録されているにもかかわらずEDC上でのデータ入力が進んでいない症例」をピックアップしやすくすることが可能となる。下記にオラクルのCTMSを中心としたデータ連携の例を示した。



5.最近の規制の動向とスタディスタートアップの重要性

最近の規制の動きとして、これまで以上に臨床試験を早く進めるためには臨床試験へのアクセスの不公平さをなくし、全ての患者に対して公平に臨床試験に参加する機会が与えられるべきであるということ言われている。

FDAは2022年4月にDiversity Plans to Improve Enrollment of Participants from Underrepresented Racial and Ethnic Populations in Clinical Trialsというガイダンスのドラフトを発行した(https://www.fda.gov/media/157635/download)。このガイダンスでは、遅くともEnd of Phase IIまでにFDAにRace & Ethnicity Diversity Planを提出することが要求され、年齢層、性別、Race、Ethnicityごとに分類された登録目標、登録目標に対する理論的根拠、登録目標をどう達成するかの計画を含めることが求められている。

このガイダンスによる業界へのインパクトとして、これまで臨床試験の対象としてマイノリティとなっていたBlack、Asian、Hispanicの被験者の奪い合いが発生すると同時に、年齢層、性別、Race、Ethnicityなどの登録状況をリアルタイムでモニタリングする必要が生じ、必要に応じて新たな国/地域での被験者リクルート、施設の立ち上げを行う必要が出てくることが想定される。これらの要求事項をより高いレベルで満たすためには、対象となる患者のいる施設を電子カルテの情報を活用して事前に特定すると同時に、SSUのようなシステムを活用してパフォーマンスの良い施設を特定し速やかに施設を立ち上げる必要が出てくるだろう。
SSUについては3/5に開催するWebinar【試験立上げのベストプラクティス~スタディスタートアップをどう効率化できるか?~】でデモを交えて詳しく紹介するため、興味ある方は是非ご登録ください。
登録はこちら

6. 最後に
冒頭でも述べたように、この20年間で臨床試験の仕組みは大きく変わり、特に最近の傾向として、ePRO/eCOA、eConsent、ウェアラブル端末やバイオマーカーなど新たなツールが登場し、さらにウェアラブル端末のデータやリアルワールドデータなどデータ量の増加が顕著になってきた。加速するデジタル化とデータソースの増加、データ量の増加にどのように対応していくのか、今後それらを受け入れることができる拡張性の高い臨床開発プラットフォームの重要性がますます高まっていくものと思われる。オラクルは現在、AIへの投資・開発も進めている。未来を見据え革新し続けるオラクルにご期待ください。

問合せ先

オラクルライフサイエンス hsgbu-oracle_jp@oracle.com
Oracle Life Sciences Blog:臨床開発のイノベーション、トレンド、規制動向等を発信


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