アステラス製薬 補体因子C5阻害剤・IZERVAYを日本で条件付き承認申請 GA伴う加齢黄斑変性が対象
公開日時 2025/02/06 04:50
アステラス製薬は2月5日、補体因子C5阻害剤・IZERVAY(一般名・アバシンカプタドペゴル:ACP)硝子体内注射液について、「地図状委縮(GA)を伴う加齢黄斑変性(AMD)」を適応症として、日本で条件付き承認制度に基づく製造販売承認申請を行ったと発表した。同社は「承認された場合、GAを伴うAMDに対するファーストインクラスの治療薬となる可能性がある」としている。
承認申請は安全性と有効性を評価した第3相臨床試験(GATHER1、2)に基づくもの。GATHER2試験は、無作為化二重盲検偽処置対照多施設共同の第3相臨床試験。主要評価項目であるGA進行の平均速度について、IZERVAY投与群は偽処置対照群に比べて投与後2年時点で14%減少した(p=0.0165)。IZERVAYを1年間毎月1回投与し、その後の1年間を隔月1回投与された群では、偽処置対照群と比較して、投与後2年時点で19%減少(名目上のP値 p=0.0015)した。また、2年間のIZERVAYの治療効果は1年間の治療効果と比べて2倍以上だった。安全性では、重篤ではない眼内炎症と感染性眼内炎がそれぞれ1例見られたが、虚血性神経障害や網膜血管炎の症例はなかった。
IZERVAYは、アステラス製薬が23年に買収した米アイベリック・バイオ社の開発品で、C5タンパク質を標的とすることで、網膜細胞の変性を引き起こす補体系の活性を低下させ、AMDの一病態であるGAの進行を遅らせると考えられている。米国では2023年に発売され、英国やカナダなど9か国でも承認申請を行っている。