救急医療の現場は限界を超えている
芥川賞作家・医師 朝比奈秋 さん
公開日時 2025/08/01 00:00
医療従事者に健全な労働環境を2021年に「塩の道」で林芙美子文学賞、23年には「植物少女」で三島由紀夫賞、「あなたの燃える左手で」で泉鏡花文学賞と野間文芸新人賞、24年には「サンショウウオの四十九日」で芥川龍之介賞と、短期間で複数の文学賞を受賞。文学界で注目を集める小説家の朝比奈秋氏は現役の消化器内科医でもある。「頭に浮かんでくる物語を題材にしている」という朝比奈氏。芥川賞受賞後初の単行本となる「受け手のいない祈り」のテーマは過酷な救急医療現場における医師の実情と過労死だ。「医師時代の経験から生まれた」という本作に込めた想いをうかがった。(清水大輔)〔略歴〕1981年京都府生まれ。医師として勤務しながら小説を執筆し、2021年、「塩の道」で第7回林芙美子文学賞を受賞しデビュー。2023年、『...