東邦大・中村氏 「プラスグレルがACSや高リスク安定狭心症の良い選択肢に」

公開日時 2013/07/22 05:01
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東邦大医療センター大橋病院の中村正人氏は、新規抗血小板薬・プラスグレルについて急性冠症候群(ACS)患者やハイリスク安定型狭心症において、有用な選択肢になるとの考えを示した。7月18日に開かれた第一三共主催の意見交換会で、日本人待機的経皮的冠動脈形成術(PCI)患者を対象に実施された臨床第3相試験「PRASFIT-Elective(PRASugrel For Japanese PatIenTs with Coronary Artery Disease Undergoing Elective PCI)」の結果を解説する中で自身の考えを明らかにした。プラスグレルは、すでにPCIを受ける急性冠症候群(ACS)患者を対象とした臨床第3相試験(PRASFIT-ACS)で、良好な成績が報告されており、2試験の結果に基づき、PCIを伴う虚血性心疾患の適応で製造販売承認申請が行われている。国内で実施された臨床試験では、欧米の約1/3の低用量が用いられている。


中村氏は、PRASFIT-Electiveの対象である、待機的PCI患者は、ACSなどで緊急PCI施行例に比べ、イベント発生率が低いと説明。安全性(出血性リスク)が担保された上で、有効性(MACEの発生抑制効果)を示す薬剤が望ましいとした上で、同試験の結果を評価した。同試験では、Loadingを行われた症例が多かった点についても触れ、実臨床では「緊急性がないので、外来に来た場合にはメンテナンス(維持用量)を選択する」ことが多いと述べ、臨床試験下と実臨床下との違いも指摘した。


プラスグレルの投与対象については、「より有効性を早期に発現してほしい典型例がACS」と話し、効果発現の早さを特徴とするプラスグレルがACS患者において有用との考えを示した。一方、同試験の対象である待機的PCIについては、クロピドグレルかプラスグレルの「どちらの薬剤を用いるか十分検証する必要がある」と述べた。その上で、安定狭心症の中でも低リスクから高リスクまで病態は幅広いと指摘。「一般的に言われる糖尿病やPAD(抹消動脈疾患)の合併例、multi vessel disease(多枝病変を有する冠動脈疾患)などでは、安定狭心症であってもリスクが高くなる」と説明し、これらの高リスク安定狭心症ではプラスグレルが良い選択肢になるとの考えを示した。一方で、「クロピドグレルをすでに服用している患者で、副作用もイベントもなければ、変更はしない」と述べ、抗血小板薬初回投与例が対象との考えも示した。


PRASFIT-Electiveは、PCIの施行を予定する冠動脈疾患患者672例を対象に、プラスグレルの有用性を検討した試験。プラスグレル群370例(loading dose:20mg、維持用量:3.75mg)、クロピドグレル群372例(loading dose:300mg、維持用量:75mg)に分け、それぞれ治療効果を検討した。Loadingはプラスグレル群269例、266例で実施され、残りは維持用量を投与した。Loadingを選択した症例は、2週間のwash out期間後、PCI施行前に投与を行った。一方、維持用量を選択した症例では、ランダム化後抗血小板薬の投与を開始し、14~21日間継続後に、PCIを施行した。


その結果、主要評価項目の心血管イベント(MACE:心血管死+非致死性心筋梗塞+非致死性虚血性脳卒中)の発生率は、プラスグレル群4.1%、クロピドグレル群6.7%で、Loadingの有無に分けた解析でも同様の傾向を示した。一方、主要安全性評価項目である大出血+小出血+臨床上重大な出血はプラスグレル群5.4%、クロピドグレル群6.2%で、プラスグレル群で低率の傾向を示している。


なお、同試験において、クロピドグレルは対照薬(新医薬品としての比較対照を行う薬剤)ではなく、参照薬として投与されている。中村氏はこの理由として、対照薬として試験を実施すると、膨大な症例数を必要とすることや、同試験実施中はクロピドグレルが待機的PCIの適応を取得していなかったことなどを挙げている。

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