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岸田首相 持続可能な経済・財政・社会保障構築で“実質1パーセント上回る経済成長” 医療DXで給付適正化

公開日時 2024/04/03 04:52
岸田文雄首相は4月2日の経済財政諮問会議で、「少子高齢化・人口減少の下でも中長期的に持続可能な経済・財政・社会保障を構築するため、“実質1パーセントを上回る経済成長”により力強い経済を実現する」と強調した。焦点となる社会保障費については、「これまでと同様に医療・介護給付費対GDP比の上昇基調に対する改革に取り組む」と主張。財政健全化を着実に進める方針を堅持した。政府は今後の主要課題として、医療費の地域差半減や地域医療構想の推進を掲げており、2024年度実施の第4期医療費適正化計画に白内障手術や化学療法の外来実施など知道府県が取り組める目標や施策の具体的メニューを提示している。薬価制度改革も、「市販品類似の医薬品の保険給付のあり方の見直し」などを今後の検討事項に掲げた。今後、6月の「骨太方針2024」の策定に向けて政府内の議論が進むことになる。

◎「医療の⾼度化等による増加を相殺する改⾰を実現できれば制度の⻑期的安定性の確保が⾒通せる」

この日の諮問会議は、マクロ経済運営および経済・財政一体改革の点検・検証と中長期政策の方向性について議論した。内閣府が示した「医療費」の長期的な展望によると、「⾼齢化や⼈⼝要因による伸びは今後縮⼩傾向となる⼀⽅で、医療の⾼度化等のその他要因による伸び(現状では年率1%程度)は、⾼額医療へのシフト等で更に⾼まる可能性がある」と指摘。その上で、「医療の⾼度化等のその他要因による増加を相殺する改⾰効果を実現できれば、⻑期安定シナリオの下で、制度の⻑期的安定性の確保が⾒通せる」と分析し、改革断行の必要性を指摘した。

そのための対応策については、「DX活⽤等による給付の適正化・効率化、地域の実情に応じた医療・介護提供体制の構築、応能負担の徹底を通じた現役・⾼齢世代にわたる給付・負担構造の⾒直しなど様々な努⼒の積み重ねが必要だ」と強調し、全世代型社会保障の実現や給付・負担構造の改革などを進める必要性を指摘している。医療DXについては、生成AI等を用いた医療データの利活用の促進なども視野に入れている。

◎地域医療構想が進捗しない原因を分析 対応策を骨太方針で示すべき

一方、経済・財政一体改革推進委員会の「一体改革の点検・検証」も同様に、「医療費の地域差半減や地域医療構想の実現などは進捗がみられない原因等を分析し、課題解決に向けた対応策を骨太方針で示すべき」と強調した。

同委員会の全体評価では、「歳出改革」という視点で、2019年度から23年度までに社会保障分野で国費ベース約0.8兆円の削減を実現したと説明。24年度予算案については薬価等改定等で、▲1300億円、前期高齢者納付金の報酬調整で▲1300億円、被用者保険の適応拡大で▲100億円、診療報酬などトリプル改定で+900億円の計1400億円を削減したと強調している。

◎「毎年薬価改定を実施し、市場実勢価格を適切に反映した」

薬価制度改革については、「2021年度から毎年薬価改定を実施し、市場実勢価格を適切に反映した」と強調したほか、24年度薬価改定も国民皆保険の持続可能性とイノベーションの推進を両立する観点から、新薬創出等加算や後発医薬品に関する薬価算定ルールの見直しを実施したと説明。さらに、薬剤自己負担の見直し項目の「薬剤定額一部負担」、「薬剤の種類に応じた自己負担の設定」、「市販品類似の医薬品の保険給付のあり方の見直し」について引き続き検討を行うとした。

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