フルタイムは雇用しない
公開日時 2013/09/04 03:50
アメリカの飲食業界は多くの雇用機会を提供している業界だ。先月の雇用実績でも、米国全体で19万5000の新規雇用があったうち、7万5000がレストランやバーなどの飲食業界であった。その飲食業会でフルタイムの雇用を削減し、パートタイマーに切り替える動きがでてきた。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
特に全国ネットのフランチャイズのレストランなどに顕著だという。原因は2014年1月に全面試行される医療改革いわゆるオバマケアだ。一定数以上のフルタイム相当の従業員を擁する雇用主は、週30時間以上働く従業員に医療保険を提供する義務を負うことになるからだ(提供しない場合は罰金を課される)。
14年1月から有効になる医療保険の購入申し込み/更新は前年すなわち今年の11月に行われる。したがい、雇用主は実質的には今年11月から従業員への医療保険提供を義務づけられることになるので、そのまえに30時間以上働く従業員をできるだけ減らしたい意向なのである。実際、筆者の周囲でも、就労時間を減らされたウェイターがレストランを複数掛け持ちして働き始める例が増えている。