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本誌調査 14年度改定 新薬創出加算適用品目 9割が3回連続で適用

公開日時 2014/03/17 03:52
ミクス編集部が製薬各社を対象に実施した2014年度薬価改定のアンケート調査から、薬価を維持する新薬創出・適応外薬解消等促進加算(以下、新薬創出加算)が適用された製品を見てみると、その約9割が、新薬創出加算が試行導入された10年度改定から3回連続(10年度、12年度、14年度)で同加算の適用を受けていることがわかった。新薬創出加算の適用品目では、その仕切価は変わらないということが見受けられるとともに、医療機関にこれらの新薬の価値が認められているといえそうだ。

残り1割の多くは、▽新薬創出加算が適用されない市場拡大再算定品目▽10年度や12年度の薬価改定の対象品目ではあるものの、その前年9月に実施された薬価本調査の時点で発売されていなかった品目――だった。

アンケート調査では、14年度薬価改定で新薬創出加算の適用を受けた品目(汎用規格)を全て挙げてもらった。この質問に対する有効回答数は40社で、計391製品が挙がった。このうち10年度改定の時点で未発売だった製品を除く197製品を分析した(共同販売や販売提携による製品の重複含む。例えば、協和発酵キリンとゼリア新薬が共同販売しているアサコール錠は両社分を集計)。

その結果、10年度改定、12年度改定、14年度改定のすべてで新薬創出加算が適用されたのは176製品あり、全体の89%(176/197)となった。一方、10年度、12年度で同加算が適用されずに14年度に同加算が適用された製品は制吐剤セロトーン錠、抗菌薬スオード錠の2製品。10年度改定で同加算が適用されたものの、12年度改定では適用されず、14年度改定に改めて適用された品目としては抗アレルギー薬バイナス錠の1製品あった。これら3製品は仕切価の見直しが類推される。

■市場拡大再算定品目 次回改定で全て新薬創出加算適用

新薬創出加算は、市場拡大再算定の対象品目となった場合は適用されない。回答が寄せられた14年度の新薬創出加算対象品目のうち、10年度改定もしくは12年度改定で市場拡大再算定を受けたのはそれぞれ3製品(ハーセプチン、タシグナ、スプリセル)、9製品(ファムビル、セレコックス、アーチスト、エルプラット、アバスチン、アクテムラ、ゾメタ、ネクサバール、スーテント)あった。ただ、10年度改定で市場拡大再算定が適用された3製品はすべて12年度改定、14年度改定ともに新薬創出加算が適用されていた。12年度に市場拡大再算定が適用された9製品もすべて10年度改定と14年度改定で新薬創出加算の適用を受けていた。

市場拡大再算定は売上が大きく伸びた製品に適用されるが、それはその新薬の有用性が高いことが背景にある。一方で、新薬創出加算も新薬の有用性が市場に認められて加算が受けられる仕組みであり、この状況は当然の結果ともいえそうだ。

また、薬価改定の対象品目ではあるものの、薬価本調査の時点で発売されていない製品には、例えば10年度改定では09年12月に薬価収載された制吐剤イメンドや10年1月に薬価収載された抗インフルエンザ薬ラピアクタといった製品がある。

■抗がん剤アフィニトールでプラス6.6%

14年度改定での新薬価には、4月の消費税率引上げに伴う対応分が含まれるため、新薬創出加算対象品目はプラス改定となる。回答が寄せられた新薬創出加算対象品目の中で最もプラス幅が大きかったのは、抗がん剤アフィニトールでプラス6.6%だった。これは新薬創出加算と消費税対応分に加え、「結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫」という希少疾病効能の追加に伴う加算もついたため。

プラス幅が1%台と、新薬創出加算がギリギリで適用されたと思われる製品には、ビスフォスフォネート系薬剤や活性型ビタミンD3製剤といった骨粗鬆症治療薬が多く見られた。

以下の関連ファイルから、アンケート結果に基づく14年度薬価改定で新薬創出加算が適用された品目や、その改定率の一覧表をダウンロードできます(無料)。
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